ゆかりとマツリが乗った宇宙船は、予定地から大幅にずれて着地した。よりによって、ゆかりの母校に。苦情を言ってくる教師がいたがそんな場合ではない。実験用の金魚の様子がおかしいのだ。何とかしなくてはとあわてていたところを、学年一の秀才である生物部の茜が、ありあわせの物で助けてくれた。
この知識、そしてゆかりと同じぐらいの小柄な体型。思わずゆかりは、うちに来てみない?と誘ってしまったが……
宇宙でのトラブルって、ちょっとしたことで命にかかわるはずなのに、ゆかりとマツリが一緒にいると、ほわほわした雰囲気になりますね。技術者たちが重量を 1キロでも削ろうと必死になっているのに、こっそりドリアンを持ち込むところに笑ってしまいます。
さて、今回は新たなロケットガール、茜が登場です。知的で真面目で責任感のある優等生ですね。こんな高校生がいるのかと思いましたが、自分の興味分野になると口が止まらないあたりは、なかなかオタクっぽいですね。一見弱そうだし、実際身体は弱いですが、親を説得するところ、単独突破訓練、そしてオルフェウスと、心の強さはたいしたものです。
迷いながらも決して逃げなかった態度が素敵です。
今回はオレアリー博士と茜の会話に泣かされました。目的が果たされないまま、終わりを告げそうな探査機を救った人に投げかける言葉に、大きな喜びと二十二年の重さを感じましたね。想像するだけで胸が熱くなります。
軽いテンポで進みながらも、要所で泣かせてくれるのがこのシリーズですね。
最後のアポロ方式で起きるお約束については、早くからニヤリとさせられてしまいましたが、まさか呪いの着地が続くとは。このオチにはニヤニヤが止まりませんでした。ああ、面白い。ガールズたちが繰り広げる宇宙の物語の今後が、ますます楽しみになってきました。
次はマツリにもうちょい光を……。
天使は結果オーライ―ロケットガール〈2〉
野尻 抱介
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