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[三浦良] 覇者の魔剣 抗いし者たちの系譜3

地揺れによって出現した漆黒の剣は、そばにいた魔物の命を奪った。これは陛下と同じ魔力吸収の力を持っているのか?
実在が怪しまれていた魔剣ではないかと、サラの元に報告があがったが、宰相のスキピオは、これを利用することを提案した。魔剣をエサにして、皇帝であるサラに叛乱する意思があるものをあぶり出すために……

相変わらず素晴らしい駆け引き。派手な戦いがないのに、これほど興奮する物語はそうそうないです。何かあったらすぐさまそれを利用する姿勢がいいですね。

今回、主となるのは、エサをまいたサラ側とは逆側に立つ者たちかな。エサをエサと知りつつ動くか、傍観するか、それとも別の手段をとるか。虎視眈々と失脚を狙っているものたちの思惑がたまりません。武ではなく知を重んじる体制を敷いていることで、謀略を奏でる者が権力を持つというのは皮肉ではありますが、リスクを判断できずに安易に動くような者なら必要ないと割り切る姿に潔さを感じます。
まあ、サラたちからしたら、自分のミスさえなければ、怖いのはひとりだけですからねえ。

普段は冷静、時に冷酷なまでの切れ味を見せるサラが、ラジャスの前では、恋心と皇帝としての立場に揺れる。このあたりの描写が好きです。サラの気持ちはわかりきっていますが、ラジャスはどう思っているんだろう。今回は自分の自分の思惑のために動いているんだと思うけれど、彼女を認めるというか信頼しているというか、そんな描写がたまにあるので、気になりますね。募る思いが実ることはあるのかしら。

一番印象に残ったのは、ハイエルの境遇と変化ですね。自分の教え子が浅慮なことをしでかしたことはもとより、自分よりも他の人を信じたということが一番ショックだったでしょう。信じたいものを信じてしまう。これがチョウリュウとサラの大きな違いでしょうね。
それでも死ぬことが許されないハイエルの辛さは想像を絶しますし、そこまで追い詰めたサラの恐ろしさにゾクゾクしますね。

これだけでも良かったんですが、最後の最後にとんでもない引きが。ひょっとしたら次は大荒れになるんでしょうか。ものすごいことが起こりそうで、期待に胸を膨らませてしまいます。ああ、早く続きが読みたい。

覇者の魔剣―抗いし者たちの系譜 (富士見ファンタジア文庫) - 三浦 良

覇者の魔剣―抗いし者たちの系譜 (富士見ファンタジア文庫)
三浦 良

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