ソロモン宇宙基地で、日本人の開発しているロケットが六度目の失敗を遂げたとき、政府は最後通牒を行なった。次に失敗をしたら全面撤退をするというのだ。
何としても計画を続けたい那須田所長だが、過酷な命令にパイロットが逃げ出してしまった。
ちょうどそのとき、父親を探すためにソロモン諸島を訪れていたゆかりが、逃げ出したパイロットと追いかけていた那須田所長と出会い……
宇宙飛行士は体重が軽い方がいいということで、父親探しに島を訪れた女子高生のゆかりを、あの手この手で引きとめて、宇宙を目指すというお話。
いやあ、面白い。
強引な始まり方だったのでドタバタものかと思いましたが、宇宙の話は細部まで詰められていますね。とはいえ、堅苦しくなく軽快に描かれているので、非常に読みやすいです。
訓練模様についてはあまり前面に出てきませんが、ちょろっと描写される内容を想像するだけで筋肉痛になりそう。通常の訓練と違う気もするけど。
途中、辛さからというよりは、恐怖から逃げ出すような雰囲気こそ合ったものの、なんだかんだ言いながら、責任ある行動を取るゆかりが素敵です。
どちらかといえば、宇宙飛行士はやらされている感があったため、宇宙に興味があるように見えなかったゆかりが、初めて船外へ出たときのシーンは、とても短かったけれど感動が伝わってきました。ああ、宇宙っていいなあ。
そんな感動もつかの間、終盤のトラブルが連続するスピード感ある展開がすごい。サスペンスとは雰囲気がちょっと異なりますが、一気に引き込まれます。ゆかりの決断力やマツリの行動力、それに基地のみなの力を合わせてと乗り切っていくところが良かったです。
誇り高き宇宙飛行士たちの決意にも、胸が熱くなりますね。
オチというか最後のところは、ある意味ありえるよなあ。日本というお国柄への皮肉を感じます。
さてさて、これからゆかりはどうするんでしょう。続きが凄い楽しみです。
女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉
野尻 抱介
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