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[賀東招二] ドラグネット・ミラージュ 2 10万ドルの恋人

ロシア人がセマーニ人と武器の売買をしている ― その情報をつかんだマトバケイは、相棒であるティラナと取り押さえに向かったが、そこで妙なものを見つけた。あちらの言葉で書かれているにもかかわらず、ティラナですら読めない古語が書かれた棺桶。そして中には、ひからびた死体が行儀よく収まっていて……

妖精や魔物などが存在するあちら側セマーニと、こちら側の地球がゲートで繋がり、交流を経るようになって、あちらの王国の準騎士であるティラナが、こちらのサンテレサ市警察に入り、ベテラン刑事のマトバとコンビを組んで、事件を解決していくお話の第二弾。
今回はあらすじに書いた「忙しい夜」と表題作の「10万ドルの恋人」の二編からなるお話ですが、いやあ、いいなあ、最高ですね。こういったアメリカ的な刑事ドラマって大好きです。あちらで実写化したら、ものすごく映えそう。

「忙しい夜」は、いわゆる吸血鬼ものなんですが、無敵かと思いきや、こちらの武器は通じるという力関係のバランスがとてもよくて、追い詰めつつも、予断を許さないサスペンスが、読む手を緩めさせてくれません。

普段の掛け合いでは、非常に楽しいところを見せてくれる美少女剣士のティラナと昔気質なマトバですが、コンビとしてはまだまだなようで、戦闘になるとうまく噛み合わないところがあったりするのが、なんとももどかしい。まあ、このあたりはいずれ、ということなんでしょうね。
とはいえ、地球に慣れておらず、何かと問題を起こすティラナを、少しずつ認めていくマトバの視線が、何かいいです。

まるで映画のようなタイトルの「10万ドルの恋人」は、エロ本窃盗犯を追いかけるお話です。コミカルさに重点を置いたようで、愛車を破壊されて泣きそうになったり、車の暴走に叫んだりと、いつもとは違ったマトバを見ることができました。やばいぐらいニヤニヤしちゃう。

セマーニではそういった本が出回っていないので、はじめてみたときのティラナの様子には、かわいそうな感じもしますが、これでひょっとしたらマトバのことを意識したりするようになったりすると面白そう。
男女としてはまだまだ先は長そうですが、ただ、いい感じに監察医にして元彼女なセシルがいるので、アドバイスをもらったり、時に嫉妬したりと、何かあるんじゃないかなと勝手に想像しております。
まあ、認められたいという気持ちが強いので、ひょっとしたらひょっとしてという気持ちも、ちらほらあったり。

この話で面白かったのは、仲間のトニーの変装っぷりでしょう。おとり捜査をするため、ゲイなのに、野蛮な男の真似をしなきゃならない彼の苦悩は、なんとも面白かったです。怒れる上司も渋くて素敵だし、ここの仲間は、みんな魅力溢れてるので、今後ひとりひとりに焦点を当ててほしいなあ。

最後はちょっと寂しいことになるのかなと思いましたが、いやいやいや。ごちそうさま。

そうそう。ボーナストラック的なあとがきも良かったですね。ホントにありそうな会話だけに、楽しく読ませていただきました。いやあ、これはいいです。個人的大絶賛。みんな読んで読んで。

ちなみにあとがきによれば、「ドラマらしくいろいろなバリエーションの話を今後もやっていきたいと思っております」とのことなので、すんごい期待して待ちたいと思います。

ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 - 賀東 招二

ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人
賀東 招二

竹書房(文庫)
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ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 作者: 賀東招二, 篠房六郎 出版社/メーカー: 竹書房 発売日: 2007/03/01 メディア: 文庫...

Comment:1

ジャラル 2007-03-11 (日) 13:39

アメリカ刑事ドラマでは定番であるバティ(相棒)もの、有名なのは『マイアミ・バイス』『スタスキー&ハッチ』『ジョン&パンチ』映画では『リーサルウェポン』シリーズが有名です。この作品はそんな『架空のアメリカTVドラマシリーズのノベライズ』という形式になっています。第一巻が第一話TVスペシャルで、この二巻は本編TVシリーズという形式(各話の冒頭がいかにもアメリカドラマ風です)です。
 あとがきも第一巻が全話サブタイトル付解説書(DVDのおまけのブックレットにありますな)で、この巻が出演者(俳優+プロデューサー)の座談会(DVD特典映像によくにありますな)という面白いものになっています。次巻が楽しみなシリーズですね。

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