お気に入りの廃工場で、旧式のバイクを見つけてしまった。好きな小説に書かれていたのと同じ型のバイクを。
壊れているバイクだが、直せたら慶太にくれると、持ち主であるリオと名乗った女性は言う。
乗ってみたい。その思いで、夢中になって部品を捜し求めた慶太だが、ある日、女性がただの人間ではないことに気づいて……
孤独を抱えた少年がバイクと幽霊の少女に出会い、旅に出る物語。
クラスメイトや親と理解し合えない少年ってことで、旅に出るといえば聞こえはいいですが、逃避しているようにしか思えないため、自分の世界にこもってしまうイタイお話かと思ったら、だんだん良くなっていきました。むしろ予想していたよりも、はるかに良かった。これは二人の関係がいいからでしょうね。
時に怪我をした犬を助け、時に夜道で不思議な出来事に出会い、時に悲しい物語を聞くことになる旅。遭遇した出来事から、慶太が青臭い思考と行動を展開しても、ちょっと大人のリオが優しく包み込んでくれます。引きずりすぎず、でも止めるばかりじゃないというバランスがとてもいい。透明感ある雰囲気に惹かれます。
友人以上であるものの、恋愛に発展するかしないかというぎりぎりの二人の関係が、もどかしくもありますが、危なっかしさを抱えている旅ならば、このくらいの距離感がちょうどいいのかもしれません。
やや甘いところがあるボーイ・ミーツ・ガールですが、いつかは終わりを迎える日がくるであろうと思うと、ちょっと切ないですね。それでも、その時が来るまで、何かが二人を分かつときまで、一緒にいてくれたらいいなと思いました。
読後感がとてもすがすがしいロードノベルです。
影踏みシティ
あらい りゅうじ
booklines エントリー
あらいりゅうじ
Home > ライトノベル > [あらいりゅうじ] 影踏みシティ
Trackback:2
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1130
- Listed below are links to weblogs that reference
- [あらいりゅうじ] 影踏みシティ from booklines.net
- 影踏みシティ from Alles ist im Wandel 2006-09-21 (木) 02:58
- 影踏みシティposted with 簡単リンクくん at 2006. 9.21あらい りゅうじ著 / KEIイラスト竹書房 (2006.9)通常24時間以...
- 影踏みシティ(あらいりゅうじ) from F.Y.A.E./review ver. 2006-11-01 (水) 18:12
- ゼータ文庫の本って初めて読みました。 影踏みシティ 星崎慶太、十六歳。友だちや両親、幼なじみ――自分を取り囲む世界に違和感を感じながら、息苦しい日常を積...





