「妖怪は、人間が怖くはないんですか?」
「そうだね。怖くないと言ったら嘘になる。でもアタシらは、人間とはずっとこういう関係でやってきたんだ。たしかに、人間とつきあうには覚悟がいる。でも、いったんこうと覚悟を決めちまえば、たいしたことじゃないさ。アタシらはにーさんとは違うモノだ。だけどさ、違うってことがそんなに悪いことかねえ?」
こちらの世界とあちらの世界の狭間にある「空栗荘」に住むことになった高校生・太一が、ちょっと不思議な出来事や妖怪たちの騒動に巻き込まれるお話の第四弾。今回は、太一がクラスメイトの相談を通じて、自らの心の傷に気づいていくシリーズ最終巻です。
とてもよかった。素敵な最終巻です。季節がめぐってやってきた春が、とても温かく感じました。
幽霊に囚われているクラスメイトにもやもやしたものを感じて、ちょっぴりツンデレなサトリとの出会いから心の傷を確認して、人を殺す妖怪に遭遇して怖さを知り、怯えていたことを実感する。
これまでも、人と妖異との出会いを通じて、少しずつ心を取り戻していったけれど、今回のお話は、ひとつひとつが素敵だし、つながると更に魅せられます。失うことはだれだって怖いけれど、だからといって手を離したら、壊れてしまう。そのことに気づいて、涙する太一の心にじんときました。
太一が乗り越えることができたのは、これまで出会った全ての人たちのおかげだと思うけれど、中でも和泉の存在は大きかったろうなあ。今回も何かと接してきて、時にうーうー困ることもあったけれど、太一の言葉に一喜一憂する姿が可愛く、彼女の恋心があったからこそ、太一が笑顔になれたんだと思います。 まあ、どちらも奥手だから、なかなか進まないかも知れませんが、いつまでも仲良くいてほしいなとそう思いました。
この終わり方はとても良かったけれど、シリーズが終わってしまうのは、寂しいな……
カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫 し 3-4)
霜島 ケイ
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