「そうだ。君も姫殿下と会うといい。うん、ドーク魔法材店はふたりでやってるんだって」
「そ、そそそそそれは恐れ多いです!」
「そっか。じゃあそれはなしにして、ま、統宗神殿に行くだけでもいいよね?」
「え、えええええーと」
「無理にとは言わないよ。ま、君が来ないなら僕はリア=メイと楽しんでくるだけさ」
「行きます!」
高名な魔術師が創業した魔法材店の三代目・シャトルが繰り広げる冒険物語の第三弾。今回は、先日力を貸してくれた王女にお礼を言うため、王女の成人の儀に参加すべく、シャトルとサシャが旅をするお話です。
けしからん。サシャがとてもけしからん。なんという可愛らしさだ。
旦那様とのふたりっきりの旅路とあって、メロメロしながらも、新鮮さと驚きと楽しさを満喫してる様子が伝わってきて、ニヤニヤさせられちゃう。旅慣れてるシャトルが余裕ぶってからかってる気持ちがよくわかる。
ふたりのときもいいけれど、リア=メイが出てくると、また面白くなりますね。リア=メイのわがままにすねるサシャ、あしらいつつ振り回されるシャトルのやり取りは、とても楽しかった。
ただ、シャトルは戦いになると……ちょっと独善的と言うか、正しいと思ったことを、何が何でも貫こうとするあたり、強引すぎるよなあ。連盟の態度がアレなのはわかるけれど……と思うことがしばしばありました。そういう意味だと、いわゆる正義の味方とは違うのかもしれない。
そんなわけで、あまりシャトルが好きに名れなかったんですが、戦いになると引き込まれました。王女を狙う魔導師が召喚する魔神との戦いは、追い詰めていたはずなのに、気づけば絶望的なまでに追いつめられてるんだから、大変だ。ギリギリのところで切り抜けられて良かったよ。
ひとまず一息つけたと思ったら、黒幕たちがまた動くようで、気が置けないなあ……っていうか、急に悲壮感漂うあたりが飛躍してるように思ったんだけど、大丈夫かしら。
魔法の材料ございます3 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚 (GA文庫 あ 7-3)
葵 東
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