「大介さんは……自分のために泣けるんですね」
言われて初めて頬を伝うものに気づき、大介はあわててぬぐう。
「あの方には、できなかったことです」
「……育ててくれて、ありがとう。さようなら」
<日本震災>後の近未来の日本。脳を改造する技術によって違法な格闘プログラムを父親にインストールされた平凡を愛する高校生大介が、なんでも屋を営んでいる死にたがりの美少女オズの仕事を手伝うことになって、というシリーズの第四弾。今回は、満身創痍の大介がカイとの再戦に挑むお話です。
いやあ面白かった。
カイと戦ったことで、自分の弱さを痛感しながらも、逃げるという発想がないんだから、なんだかんだ言いながら、大介は戦うことが好きな人なんだろうなあ。覚悟を問う桂翁の言葉と行動で、ふっきっていく展開が熱かった。
ふっきったあとの大介は、なんか気持ちいいものがありました。
すべてに対して受け入れる度量のようなものがありましたよね。あれほど好きだったレースですら、楽しさを感じながらも自分の居場所ではないと気づき、カイと対峙するあたりでは、死を意識しながらも求めていた強さを得ていく感じがありました。信頼が生んだ支えが、きっと大きな力になったんだと、そう思います。
「シャギードック」らしい戦いを経て、でも敵は手をゆるめなくて。
ドリーマーの仕掛けてきた戦いは、人の思いを踏みにじるようで、心痛むものがありましたが、ハンデを背負いながら、大介、オズ、まりん、みんなで力を合わせて、親友を助けていくというのが、とても良かったです。
それにしても、沙織はどこまでを考えて動いてるんだろう。大介のことを気になってると思うけど……まりんも気に入ってるから、ああいうことしたのかな。ドリーマーの話も気になるけど、思いの行方も気になるばかり。
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七尾 あきら
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