「だから、それは剣はんの妄想……嫉妬もなにも、剣はんは八雲はん以外の男と仲良くしてへんやん……ヤキモチやく機会があらへんねん」
「……はっ?そうだ、先輩!おかげで名案をひらめいたぞっ!八雲が私にヤキモチをやいてくれるかどうかを、試してみようではないか!」
美しく最強にして孤高の女子高生が、実はライトノベル作家だった?ということで、ライトノベル作家であることを隠しながら、捜索を続ける流鏑馬剣と、彼女の正体を知ってしまった与八雲が繰り広げるラブコメシリーズの第四弾。今回は、剣にフィアンセが?という三角関係の中、学園祭が始まって……というお話。
あー、楽しい。
自分だけが嫉妬するなんてずるいと思った剣が、八雲に嫉妬してほしくて従弟に彼氏の不利をしてもらったら、という始まりは、どんな展開になるかわかりきっているのに、とても楽しい。からかうつもりが、あれよあれよと悪い方へ向かい、すれ違いから疑心暗鬼がどんどん膨らむあたりは、まったくもって剣が悪いよなあと思うんですが、それが楽しめるのは、ふたりの思いが見えてるからなんでしょうね。
好きだからこそ不安になる恋する思いが伝わって、まったく、ニヤニヤがとまらないじゃないか。
そんなもんだから、ラブコメを書くために、という建前の学園祭もギクシャクしてくるんですが、ここで唯一事情を把握した先輩ライトノベル作家の多々湖が、いい働きしましたよね。
書けなくなった小説を、大切な人のために書く多々湖と、多々湖の小説を大切な人のために演じるゆうなの思いが、あの剣の言葉を引き出したんですよね。「もう一度」と後悔を胸にした言葉に、じわり。
雨降って地固まるといわんばかりのやり取りに、照れくさくも温かいものを感じましたが、一方でゆうなは、ちょっと心痛んだなあ。でも、自覚していなかったのであれば、大きな傷にはならないでしょうね。
いつか、これが初恋だったんだなと振り返ることができたらいいですね。
ライトノベルの楽しい書き方 4 (GA文庫 ほ 1-7)
本田 透
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