「あ、あの助けて頂いてどうも有り難うございます!」
礼を言われるほどのことではあいと思ったが、無視するのも気がひけたので振り返った。
「どういたしまし—」母の胎内から生まれ出でて五億と三千万年、俺は初めて恋をした。
虚言と姦淫を司る魔神・カルマが、純愛を捜し求めて訪れた人間界で、一目惚れをして……ヤることだったら百戦錬磨の魔神の初恋を描いたラブコメディです。
まあ、そういった魔神ってことで、従者であるリビエラとのやり取りは、何ともお下品だったりするんですが、そんなカルマが、一目惚れしたカナデの前では、オロオロするんだから、楽しいったらないです。
またアドバイスするリビエラも主人を主人と思わないので、変な方向に行かせてしまうからさあ大変。ま、一応軌道修正することもあるけど、こんなアドバイスに従ったカルマを、カエデはよくぞ笑って受け入れてるもんだと、感心してしまうよ。
ただ、リビエラがどうしてそんなに自信をもって、カルマを押せたのかがよくわからなかったかな。カエデがカルマに惚れる理由はあまり見えなかったのに……
そのあたり引っかかったけど、敵には虚言を、愛する人には愛ある嘘をつき、純愛を求めた結果が……、ああなるのはどうかと思わなくもないけど、ま、これはハッピーエンドっていってもいいよね。
「手をつなぐ」より先にいくのは遠いかもしれませんが、不器用な二人が描く未来は、きっと明るいものになるんじゃないかな。楽しかったです。
第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作。
言葉とは他者を傷つける剣でも、自分を護る盾でもありません。ただ互いの想いを結ぶための架け橋なのですよ。
純愛を探せ! (GA文庫)
速水秋水
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