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[逢空万太] 這いよれ! ニャル子さん

「大丈夫ですよ。私にとってこれは仕事なので公私のけじめはちゃんと付けます。プライバシーも遵守しますし」
「そ、そっか」
「仕事で護衛するんだから!べ、別に真尋さんが心配なわけじゃないんだからね!」
「何でそこで急にあざとくなるんだ……」
「いえ、地球でブームらしいので」

クトゥルー神話を元ネタにしていると聞いてて、あまりクトゥルー知らないしなあと敬遠してたんですが、面白いよと聞いて手を伸ばしてみたら、これがとても楽しい。

普通の高校生である真尋が、なぜか化け物に狙われ始め、その護衛としてやってきたのが、クトゥルー神話において高位の邪神とされるニャルラトホテプ。本来の姿はアレらしいんですが、護衛として側にいる必要性から人間の姿をしたらとっても可愛い……んだけど、ツッコミ待ちのボケをする子なので、ページをめくるたびに、ふたりで漫才しててとても面白い。
アニメや漫画にうとい僕ですら気づく小ネタがたくさんあって、きっと気づいてないけど、そこいら中に仕込まれてるんだろうなあと思う次第です。

そんなコミカル会話もいいけれど、ニャル子さんと真尋の関係もまたいいんだ。化け物だったら一瞬で倒すほどの強さを持つニャル子さんが、真尋には弱いあたりが楽しいですよね。それ以上に楽しいのは、不意打ちで見せられるニャル子さんの好意に、ツンデレてしまう真尋ですが。
いい感じになりそうでならないあたりが、たまらなくもどかしいんだけど、続きだとどうなってるのかなーとニヤニヤしまくる。

狙われる真尋をエサにして、おびき寄せた敵を、ぐっちゃりとやっつけるところは、何気にグロテスクですが、明るく叩き潰すニャル子さんの笑顔は素敵だったに違いない。

ただ最後はなんとなくグダグダな感じで終わっていくんですが(黒幕があんな……!)、それもまた個性に感じるんだから得がたい物語ですよね。とても楽しいラブコメでした。

第1回GA文庫大賞優秀賞受賞作。

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫) - 逢空 万太

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)
逢空 万太

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