「どうして……」ペルセルテは喉の奥から絞り出すような声で言った。
「どうして先輩にそんな事が分かるんですか……」
それは反論ではなく純粋な疑問だった。
だがフォロンは直接に答えず、微苦笑を浮かべて問いを返す。
「どうしてペルセルテ―君にそんな事がわからないのかな?」
フォロンとコーティが12年ぶりに再会した頃を描いたSシリーズの第二弾。今回は、ペルセとプリネの間に溝が生まれてしまうお話です。
たしかに今まで信じていたことに嘘が紛れていると知ったら、愕然となる気持ちは良くわかります。ただ、決してすべてが嘘なわけじゃないってことを、つたなくもしっかりと伝えたフォロンが良かったです。あの言葉で理解してもらったという土台があったからこそ、音楽による思いが伝わったんでしょうし。
音楽と言えば、フォロンとコーティの繋がりが見える神曲のシーンがとてもよかった。
戦うことに抵抗感を覚えていたフォロンが、曲を奏でるものとしての誇りから、戦うことを決めていく展開に、火がつくのが遅い!とコーティのように思いましたけど、紆余曲折があったからこそ、曲を通じて理解し合っていくことができた二人の絆に、思わず涙腺が緩む。伝わる喜びってありますよね。やっぱり音楽っていいなー。
失敗を重ねながら、少しずつ成長をしていくフォロンですが、彼の前にはまだいろいろ立ちはだかるものがあるようです。さて、次はどんな手が伸びてくるのかしら。楽しみです。
それにしても、フォロンも朴念仁なだけじゃないんだなあというのが見えたのは、ちょっと面白かったですね。傷ついたペルセを一人にしてはと、一緒に過ごした一夜のドキドキ感にニヤリ。
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榊 一郎
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