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[白鳥士郎] らじかるエレメンツ 3

「上手くすれば……二人の仲を……飛躍的に近づけられるかも……」
「その可能性はもちろんありますが、対象Bの嫉妬心を煽るためには、対象Aと対象Cの仲を今以上に発展させる必要があります。下手を打つと、そのままゴールインなんてことも……」
「ヤー。非常にデリケートな状態だ。だが……」
「だが?」
「あの三人がデリケートでなかったときが、これまでにあったかな?」

刀鎌北高校創立以来百年の伝統を誇ると言いながら、騒動を引き起こすことで有名な化学実験部が引き起こす騒動を描くシリーズの第三弾。今回は、羽卵の暴力に怒った鉄太郎が仕掛ける復讐劇や学内での食料争奪戦、クラスのみんなでの温泉旅行にメル友話など、短編週風味に語られる最終巻です。

超面白かった!読んでて顔がにやけるのを止めることができませんでしたよ。

初っ端は、羽卵のひどい仕打ちに耐えかねた鉄太郎が、幼なじみのアルミの力を借りて、羽卵をパシっていくんですが、ここで見える羽卵の嫉妬心といったら!仕掛けたアルミからしたら、これ以上ない嬉しさでしょうね。アルミのターンは最高でした。

ま、その裏にはさらにかの人の影があったりするんですが、それはいつものことですから。からかい甲斐があるってのもあるんだろうけれど、やっぱり鉄太郎と羽卵の関係が好きなんだろうなあ。
うまい具合に、女性二人の嫉妬心を引き出して、間に挟まれる鉄太郎が大変な目に遭う姿にニヤニヤしまくり。外で読んでるとき、どうしようかと本気で思いました。視線が痛い。

食中毒事件から学校内にお弁当持ち込み禁止令が出されて、購買のパン争奪戦が始まるお話もすごかった。パンひとつでどんだけの部活の利権が動くんだよ。どんだけの暗躍があるんだよ。
傍観者的視点から語られる物語に歴史もののような壮大な流れを感じました。ただのパンの話なのに。

乱れるアルミの誘惑や、まともだったはずのティーガーの男同士の裸のつきあい、羽卵の可愛い寝顔など、サービスカット満載の温泉話も楽しかったけど、なんといっても、最後のメル友話が良かった。

鉄太郎にメル友ができて、イブに初対面をするというお話なんですが、ま、このメル友が誰かってのは、羽卵とすぐ明かされるんだけど、鉄太郎にはそのことを告げず、イタズラ心でメル友してたら、思わず……ね。
恋する乙女の複雑な気持ちが生み出したイブの夜のお話は、とても心暖まる物語でした。

いやあ、楽しかった。三角関係がどうなったかってのは読んでのお楽しみと言うことで(だいたいわかると思うけど)。
これで終わってしまうなんて、ほんと残念だなあ。テンポといい、ネタといい、好みドンピシャなだけに寂しい限りですが、次なるシリーズでも(ファンタジーらしい。あとがきが熱かった)、きっと面白いものを見せてくれるでしょう。楽しみにしてます。

らじかるエレメンツ 3 (GA文庫 し 4-3) - 白鳥 士郎

らじかるエレメンツ 3 (GA文庫 し 4-3)
白鳥 士郎

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