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[榊一郎] 神曲奏界ポリフォニカ クリムゾン S(2)

「そうだな。案外、ガキんちょもそこに惚れてんだろ?」
「うむ、そこがまた―……」
レンバルトの言葉に頷きかけて、はっとした様子で固まるコーティカルテ。
「そこがまた……なんだって?」
「や、や、やかましい、だ、な、なん……だ、誰が、惚れ―いや、その前に、ガキんちょと言うなッ!」

フォロンとコーティが12年ぶりに再会した頃を描いたSシリーズの第二弾。今回は、コーティの過去を知らないことに気づいたフォロンと、フォロンに隠し事をしているコーティが一抹の不安を覚える中、トルバス神曲学院に不審者の影が忍び寄るお話です。

よくもまあ同じことばかり繰り返すなあと呆れながらも、コーティとペルセのやり取りに微笑ましさを覚えます。なんとなくではあるけど、ペルセのほうが上手なのかなーと思うのは表紙のイメージがあるからでしょうか。ふくれっ面のコーティが可愛くてしょうがない。

Sシリーズの前作同様、神曲について悩むフォロンの様子が描かれていますが、現在を知っているだけに、はっきりしない態度にもどかしさを覚えます。ダングイスみたいな自称天才なんて叩きのめしてしまえばいいのにとか思ってしまう僕は、フォロン好きなのかしら。

悩みすぎて間違った方向へ進んでしまうのはいつものことではありますが、コーティも悩んでいるから、なかなか話が進まないんですね。普段は傲慢なのに、フォロンに嫌われてしまうかもと思うと、躊躇してしまうコーティの思いは、十二年の歳月を感じて、ちょっと切なく大いにニヤリ。

トルバス神曲学院に対して忍び寄る影については、まだまだ見えないですが、ユフィンフィーも関わってくるのかなあ。きっかけを知っただけに何かやってくれないか期待したいところ。

そうそう。今回のお話でようやくプリネシカの秘密が見えました。いや、以前本編でプリネの話を読んだとき大いに疑問があったんですけど、こういうことだったのね。まだ完全に見えた訳じゃないですが、なるほどと思った次第。

なお、物語終了後に、フォロンに絡みまくってた自称天才なダングイスの悲劇が描かれる短編が収録されていました。メイドとか女装とか、そういったキーワードが散りばめられるお話に、はじめてダングイスに同情した僕がいる。ま、自業自得だとも思うけど……っていうか、ああ言う環境から逃げ出すべく、逃避になったのかもしれないなあとかなんとか。

神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 2 神曲奏界ポリフォニカ (GA文庫) - 榊 一郎

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