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[篠崎砂美] お隣の魔法使い 語らうは四季の詩

「あれは、私の作った物でしょうか」
言われた方を見てみると、小さな二頭身の雪だるまがさっきの雪ウサギと何やら道ばたで挨拶をしている。あのミニ雪だるまは、確かにツクツクさんが作った物かもしれない。だとすると、やっぱりあの雪ウサギは、あたしが作った雪ウサギなの?
捕まえて確かめなきゃ。

お隣に住んでるツクツクさんの家には、ちょっとした不思議がいっぱい。今日もまた、好奇心旺盛なメアリーが、ツクツクさんの家で不思議と出くわすという「お隣の魔法使い」シリーズ第四弾です。前作同様、春夏秋冬の季節にちなむお話が、収録されています。

ああ、やっぱりこのシリーズの雰囲気は最高だなあ。バードテーブルを作ったらどんどん鳥が集まったり、風船を膨らませたら後をずっとついてきたりと、ちょっとした不思議が毎度毎度好奇心を刺激してくれます。いったいどうやって?と、ツクツクさん(トゥックトゥイックです)を問い詰めようとするメアリーが、気づけばツクツクさんと一緒になって遊んでしまうのはわかります。疑問もあるんだけど、ツクツクさんの笑顔と淹れてくれた紅茶をみたら、ま、いっかと思っちゃいますよね。
解けないからこそ、魅力も尽きない。そんなお話ばかりです。

どんなお話があったかをざっと書いてみると、
春は一睡の安閑」では、何でもかんでもジャムを作ってしまおう話、バードテーブル作ったらありとあらゆる鳥がやってくる話、魚以外のものが釣れる釣堀話。
夏は冒険のお話」では、世界の虹を見るお話(虹の色の並びを覚える英文ってはじめて知った)、暑い日に音と匂いと舌と肌と目で涼しさを味わうお話、風船やらシャボン玉やらのバルーンフェスティバルのお話。
秋は旋律の小休」では、便利なキットによる化石掘りのお話、落雷で姿を見せないメイドさんが暴走するお話、不思議な不思議なドールハウスのお話。
冬は白銀の話題」では、年も押し迫ったころにベルを探すお話、スキー場で雪像フェスティバルを体験するお話、なんでも注文できる不思議なカタログのお話。
が収録されています。

個人的にお気に入りなのは、暑い日に音と匂いと舌と肌と目で涼しさを味わう「夏」のお話ですね。スイカを味わい、水団扇で涼しみ、水琴窟の音に魅了されて。まあ、水琴窟は普通やらないですけど(読んでたら聞いてみたいと思いました)、これを風鈴だと思えば、五感で涼しむってのが、日本の夏の風物詩ってところですよね。日本を知らないメアリーが、日本の文化に触れて楽しみながら涼しんでいくところが良かったです。
それにしても、相変わらずいろいろなこと知ってるなあ、ツクツクさん。でも「夏ですねえ」というしみじみっぷりが似合うから、ツッコむよりかは、「そうですね」と微笑み返したくなるものがあります。

いやあ、面白かった。
春夏秋冬で語られる物語は、時系列バラバラなんですけど、ちょっとしたところから、これは出会った当初のお話だなとか、これはだいぶ仲良くなったときだなとかが見えてくるので、そういったところも楽しいですね。
毎度毎度のお約束なやり取りにニヤリとしつつ、ちょっとした冒険やちょっとした不思議に酔いしれました。

さてさて、次はどんな不思議が待ち受けているんでしょうか。とても楽しみです。

お隣の魔法使い 語らうは四季の詩 (GA文庫 し 1-4) - 篠崎 砂美

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