「助かる道があるというのに、それを捨てるのですか?もし、そのあなたが大切にしている妖が、あなたをだましているのだとしたら、あなたにとってよくない道を示してくるかもしれません」
袴田は首を振った。
「俺ももちろん、助かるのであれば、その道を選びたいです。でも、それは運命を避けてずっとここに隠れていることとは、違う気がするのです」
長き時を経た妖怪の雪と伊佐の元に、修行僧を目指す高校生・袴田が弟子入りして……という、人と人あらざるもののハートフルファンタジーの第五弾。今回は、鏡に映ったモノと入れ替わってしまった少女を描く「YUKA」と袴田がカナリヤで店番する「KANARIYA」、伊佐と雪の過去が見える「ISA&SETSU」からなる最終巻です。
人間の女の子をいきなり連れてきちゃったから、ヒメがご乱心したのかと思いきや、なるほど入れ替わりなのね。自分の腰元にと言いながら、ここに連れてくれば、袴田や伊佐が何かしら手を貸してくれると思ったから、わざとつれてきたんじゃないかなーと思うのは、ヒメを買いかぶりすぎかしら。
自分の存在がだんだんと他に奪われていく様は、ゾクっとするものがありましたけど、たった一人でもわかってくれる人がいるっていう嬉しさは、ほんといいものでした。ま、ごちそうさまと言っておきましょうか。
個人的にはカナリヤのお話が好きでした。店番してたら、妖しいモノたちがやってきては、何かと袴田に話しかけてくるシーンににやりとしてしまう。こういうモノたちに好かれるとは、いいもの持ってますよね、袴田くんは。まあ、好かれすぎて、ちょっと……いや、かなりか。危ない輩までやってきて危機一髪状態でしたけど、ぎりぎりのところでかわすあたり、守られてるって感じがありますね。
わかりにくい雪の優しさにクスリ。
最後のお話は、とある寺に囚われの身になってしまった袴田の元へ伊佐と雪がやってくるお話なんですが、二人は人あらざるものなんだなと思わされるのは、悠久を感じさせる言葉を聞くときでしょうか。あまりに長くいるが故に、執着するものがなく、むしろ……と考えてしまうところは、苦しさをわかるものがあるだけにやるせない。
でも、伊佐や雪自身ですら、忘れかけていた思いを、まっすぐな言葉で思い出させた袴田が素敵でした。あの言葉に、伊佐がどれだけ感動したかは、何となく想像できますよね。
いやあ、面白かった。これで最終巻とは寂しい限りですが、きっとこのあとも、今までどおり一緒にいながら、騒動に立ち向かって行くんだろうなあ。いつか、袴田の孫ができたときも、同じような時を過ごしてくれたらと、願いたくなります。
伊佐と雪 ~なつかしいあさ~ (GA文庫 ゆ 1-5)
友谷 蒼
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- まりん 2009-03-14 (土) 16:11
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伊佐と雪、第二部でるそうですよ。ウィキに書いてありました。
- deltazulu 2009-03-17 (火) 06:19
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ほんとですか!うれしー。
情報ありがとうございます。今から楽しみです。








