「とか言っちゃって、オメーそれでホントに勝てんのかよ?無理しねえほーがいいぜー、ただでさえ最近オメーの評判最悪なんだからさ。素直にお願いすりゃあ、この人気者の羽卵ちゃんが手伝ってやっからよ」
「い、言うもんですかそんなこと!冗談はそのカラッポの頭の中身だけにしてちょうだいっ!あなたの応援なんか必要ないって、さっきから言ってるでしょ!私の邪魔しようが他の人の応援しようが、好きにすればいいじゃない!」
刀鎌北高校創立以来百年の伝統を誇ると言いながら、騒動を引き起こすことで有名な化学実験部が、宿敵の生徒会長・簗瀬アルミの選挙運動を手伝うことに?という、学校中を巻き込んだ大騒動を描いたシリーズ第二弾です。
これは最っ高に面白かった!
前作では、化学実験部と羽卵の魅力を描いてくれましたが、今回はずっとアルミのターンって感じで、意地っ張りな女の子に隠されていた弱気な内面が見え始めてからは、もう、応援するしか!と思わされましたよ。幼馴染のアルミと部活仲間の羽卵の間での気恥ずかしくなる青春物語な雰囲気が、素晴らしかった。
そんな恋愛模様も見せつつ、メインは、生徒会選挙戦で。簗瀬アルミが余裕で再選するだろうと思われた生徒会選挙に、ド派手なナルシストの転校生・周防満貫が参戦してきて、あっという間に話題を掻っ攫ったというのに、恋のライバル・羽卵の挑発に乗って、アルミは選挙活動をせず。
気づけばクラスの雰囲気が悪くなり、気づけば現生徒会も分裂して。平気な顔を見せつつも、そこにいるのは弱い女の子で。宿敵だからって、困ったクラスメイトを助けないわけにはいかない、そのことを気づかせてくれた同じ部活にしてクラスメイトのドイツ人・ディーガの拙い、でも心からの言葉と、吹っ切れた嶋谷率いる化学実験部とクラス命とが一丸となって、アルミを応援し始めるところは、じーんと来るものがありました。
とてもあのスクワットのエピソードを書いた人と同一人物とは思えないですが(今回のおバカ爆笑エピソードNo.1)、こういう不意打ちは大歓迎ですよ。
ここからの怒涛の反撃は、まさにこのシリーズならではといった感じで。もう一名の立候補者は、派手な二名の立候補者のおかげで影が薄いですが、ド派手にはド派手を、策には策をと、両陣営が繰り広げる選挙戦のおかげで、銀河英雄伝説のような勢力図が、次から次へと変わっていく展開に、いったいどこまでいくんだとワクワクさせてくれました。
いやあ、面白かった!まさか相手の切り札をああいう形で切り替えしてくれるとは思わなかったよ。
選挙を通じて自分を見つめなおすことができて、クラスメイトとの垣根もなくなって。ほんと良かったです。最後の一行にじわり。
あとがきによると次が最終巻とのこと。えー!と声を上げたくなるほど残念で仕方ありませんが、このハイテンションラブコメディの結末がどうなっていくのか、楽しみに待っていたいと思います。
らじかるエレメンツ 2 (GA文庫 し 4-2)
白鳥 士郎
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