「だって、テストが終わったっていうことは、明日からは待ちに待った学園祭の準備じゃない」
「学園祭?」
「毎年この時期に行われる、学院のお祭りです。この精霊島にいる精霊たちに感謝の意をこめていろいろな出し物をするのですよ」
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第五弾。今回は進級したスノウたちが、「精霊のもてなし」をする学園祭の準備を始めるお話です。
新章ってことで、一学年進級したわけですが、新たに登場してきたのが、新入生のナノポニートですね。先輩として構内を案内する役割を与えられたことで、距離が近しくなりましたが、無表情な女の子ってだけでなく、何やら不穏な言葉を発してるので、何かやらかしてきそうだなあという感じです。
っていうか、わりとあからさまに怪しいんだけど、気づかないのは……まあしょうがないか。プリムローズとブランカは、スノウをめぐった争いをしているし、スノウはスノウでブランカの思わせぶりな言葉に悩んじゃったりしてるから、周囲に注意がいってないし。このふたりはなかなか進展しないよなーと思うけど、二人の過去に何があったのかがチラッと見えてきたので、今後このあたりが描かれていく……と思ったら、まさかの超展開でびっくりしたラスト。
こういう形で続くとは思わなかったけど、おかげで今までの多くの謎が明かされてきそうな感じですね。ブランカに対する複雑な思いを持つスノウにしても、例のことで「ショック」を受けたので、いろいろ意識が変わっていくだろうし、このあたりどういう心境の変化が生まれていくのか楽しみですね。
なお、最後にスノウとプリムローズの幼いころの出会いを描いた「私の美しい雪」という短編も収録されています。格式高い家に生まれたことで、物に恵まれても空虚で暗い闇に包まれるような暮らしをしてたプリムローズの日々には切ないものがありましたが、だからこそ、何一つ持たず側にいてくれるスノウが光のような存在になったんですね。他人を信じることができなかった子供の胸に、愛情が見えるようになったところが素敵でした。
そりゃ、ここまで心に入り込んでこられたら、手放さないためにどんなことでもしようとするわけだと思った次第。温かくもちょっと怖いお話かもしれませんね。
神曲奏界ポリフォニカ エンシェント・ホワイト 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫 た 1-5)
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