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[榊一郎] 神曲奏界ポリフォニカ ジェラス・クリムゾン

精霊と人間の融和をテーマとして行われる「トルバス・スピリット・フェスタ」に、トルバス神曲学院の生徒たちと合奏することになったフォロン。だが、神曲楽士を目指しながら、精霊が嫌いだという生徒・クガノの持ち寄る空気により、生徒たちの間に不協和音が絶えない。一方、ツゲ神曲楽士派遣事務所では、警察からの依頼が舞い込んできた。それは、精霊を無条件で操るといわれている奏始曲にかかわることで……

今までは、精霊と仲良くする人たちばかりのお話でしたが、今回は反精霊を掲げる者たちが、動き始めるお話ですね。っていうか、これだけの分厚さがありながら、前編でしかないとは思いもしなかった。いや、面白いからいいんですけど。

お祭りに参加することになったとはいえ、実は貧乏くじを引かされてながら、気にしないどころか、むしろ生徒たちに悪いなあなんて思ってしまうあたりが、フォロンらしくていいですが、そんなフォロンをもどかしく思いながら、誇らしさも感じてるような、コーティがいいですね。ま、それ以上に、嫉妬しまくってるコーティを見れたのが嬉しかったですけど。

フォロンが女生徒に絡まれたら額にしわを寄せ、かしましい女生徒たちが噂話を持ちかけてきたら真正面から対抗しようとしたりと、ほんと可愛らしかった。プライドが高いから、なかなかフォロンに甘えられないけど、たまにはかまってあげてよね、フォロン。

まあ、フォロンはフォロンでがんばってて、大人の事情を知ってる生徒たちは、合奏についてやる気を持っていなかったんだけど、一緒にやっていこうよと、技術が足りなくても神曲に届くんだよと、ひとつひとつ説きながら、生徒との繋がりを深めていくところは、とても良かった。
その分、常に不協和音を奏でるクガノにはうんざりしたんですが、フォロンが妙に彼女を気にかけるところが気になりました。いったい彼女の気持ちに共感できるって何なんだろう。このあたりは下巻で見えてくるのかな。

一方、ユフィンリーたちは、奏始曲の楽譜の噂を聞きつけて、警察に協力することになるんですが、どうしても一歩遅れてしまうのは、致し方ないところか。まだ裏側で動いている出来事のすべてが見えていませんが、悪用されてはならない奏始曲が引き起こす事件がついに始まるところからの展開は、すごかった!ほんの数十ページだけど、まさに一気読みでした。

しかもこれすら前哨戦でしかないっぽいんですから、いやはや、後編ではどんなお話になるのか、とても楽しみですね。

神曲奏界ポリフォニカ ジェラス・クリムゾン 神曲奏界ポリフォニカシリーズ (GA文庫 さ 1-8) - 榊 一郎

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