「わからんな。君はまさか、あんなものがほんとうに、怖いのか?」
「……!」
「ふん、笑わせるなよ鳴神。言っておくが、あんなくだらんものに負けたりしたら、絶交だ」
<日本震災>後の近未来の日本。脳を改造する技術によって違法な格闘プログラムを父親にインストールされた平凡を愛する高校生大介が、なんでも屋を営んでいる死にたがりの美少女オズの仕事を手伝うことになって、というシリーズの第三弾。今回は、重傷を負い、一ヶ月後に再戦を持ちかけられた大介が、「幽霊」に追われることで、自分の存在に疑問を覚えて……というお話。
間が空いたおかげで、思い出しながら読んでたので、乗るまでにちょっと時間がかかりました。
それはさておき、「幽霊」に怯える大介の描写は、わかるだけに重苦しい。追われる者の恐怖は辛いですよね。無関心なようでさりげなく気をかけるオズの言葉がなかったら、どうなったかと想像すると……。あと、あとたぶん「父」の生きている様子を見ることができたのも、ショック療法的なものもあったから、何とかなったんじゃないかしら。
それにしても、大介の「力」はすごいものがあるな。無意識にやってしまうにしては、恐ろしい限りですが、ここでまりんとの確執……あれは確執とは言わないか。たぶん、まだどちらも子供なんですよね。二人とも後悔を胸に抱いてるので、おそらく次に会ったときは……と思うけど、その次がアレなんだよなあ。異局員の亜夜でさえ、軽くあしらうカイはどれほどの強さを秘めてるのか……
今回は繋ぎの巻って感じなので、大きな動きはなかったですが、自分の心を取り戻し、カイへの複雑な思いを自覚した大介が、どう立ち向かっていくのか。続きが楽しみですね。
ちなみに今回一番素敵だと思ったのは、大介の担当医の可南子です。快活な女医さんには今後も出てきてほしい!
シャギードッグIII 人形の鎮魂歌~in the dark~ (GA文庫 な 2-3)
七尾 あきら
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