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[高殿円] 神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト

天空に浮かぶ楽園、精霊が生まれるとされる島において、唯一人の住まうことが許された場所。精霊島にある精霊島学院は、いつものような学生たちの賑やかな話し声も、音楽もない。というのも、今、学生たちは冬休みに入ったからだ。ほとんどの学生たちは、故郷に戻り、家族や友人たちの交流、新年のパーティといったものを楽しむ。
そんな中、お嬢様であるプリムローズと共に、お屋敷へと戻ったスノウは、「お休み」ではなく、メイドとして、執事のルークにこき使われるはめに……

お嬢様に婚約話が?と、スノウが慌てふためく「僕の時を刻む神曲」、ジョッシュが七家の新年の集まりで、タタラ家の跡継ぎとして披露される「セレブレーション・ホワイト」、ミノティアスがプロムのためのタキシードを作るために、地上へ降りた「金平糖の恋」という、精霊島学院が冬休みの間に起きた出来事の三編からなるお話です。

僕の時を刻む神曲
いやあ、楽しかった。お嬢様の婚約話に動揺しまくるスノウでしたが、執事のルークまで動揺してることに気づいて、もしやルークはお嬢様のことが……と、いろいろ暴走していくスノウの様子が面白かったです。その間に、執事のルークの驚愕な事実まで発覚しましたが、人間と精霊の間には、まだ分かりあえてない感情もあるんだなあと思いましたね。生きる目的を持てなくなる精霊の話は、切ないものがありましたが、ブランカみたくおバカでも思ってくれる人がいてくれるってことも忘れちゃいけませんよね。

それにしても、プリムローズは、スノウのためなら、何でもやらかしちゃいそうだなあ。ハーミットを利用して、何をするつもりなんだろう。

セレブレーション・ホワイト
新年の集まりで、タタラ家の跡継ぎとして披露されるジョッシュのお話でしたが、名門タタラ家の跡継ぎであること快く思わない七家の嫌らしい態度が目に付きます。精霊島でも嫌がらせをしてたランディが、ここでも頑張ってましたが、むしろ小物っぽく見えるところが面白かったり。
それより何より、他の家の当主の視線を受けて、ビクビクすることはあっても、跡継ぎとして背を伸ばし続けたジョッシュがかっこよかった。

幼いころ、いじめられてた自分を厳しくも優しく接してくれた姉のようなサラサが、その後においてどんな生活を送ったかについては、悲しい物語がありましたが、ジョッシュの契約精霊になれなくて落ち込んでたリシュリーが復活してからの強烈な前向き加減の楽しさが、暗い雰囲気を吹き飛ばしてくれました。

ジョッシュとサラサの間にある淡い関係と、嫉妬に燃えるリシュリーと関係は、想像するだけで楽しくなってしまいますが、僕としてはリシュリーを選んでほしいなあ、ジョッシュ君。何気にサラサとリシュリーは仲良くなっていくんじゃないかしらとか思ってるんだけど、さてさて、どうなっていくのか楽しみですね。

実は義理の父が一番ツンデレだったことに吹いた。

金平糖の恋
地上に降りた心優しきミノティアスが、牛として食べ物扱いされそうになったり、奇異な目でみられたり、はてはかつての同業にバカにされたりと、いろいろ大変な目にあうお話でした。おかげで、笑いが止まらない。
とはいえ、ミノティアスからしたら、不運の連続だったために、さすがに落ち込むことになりましたが、ここで人のいい老婦人に出会えたのは、ほんと良かったと思います。その姿勢の美しさと、ちょっぴりお茶目な姿に、勇気付けられていく展開は良かったなあ。ちょっと臆病になっていたを前向きにしてくれたおばあちゃんの言葉とダンスが素敵でした。
どんな歳になっても、恋する美しさを見せてくれるラストを見て、三編の中で、一番好きなお話になりました。

楽しかったなあ。これで、冬休みが終わって、精霊島に戻ってきてからの話が、一段と楽しみになってきましたよ。続きが待ち遠しいですね。

神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト ポリフォニカシリーズ (GA文庫 た 1-4) (GA文庫 た 1-4) - 高殿 円

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