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[大迫純一] ゾアハンター

バトル・ホイールのレースで、圧倒的力を示して初優勝した黒川丈は、その夜、異形の生物「ゾーン」に襲われた。「ゾーン」それは、人類の環境適応能力を高めるための実験―アザエル計画―から漏洩した実験ウィルスに感染した生物の成れの果て。際限なく進化し、より凶暴となっていく異形の生物と戦うために、丈は失った肢体をサイボーグ化して、ゾアハンターとなる決意をしたが……

異形の生物ゾーンによって、レーサーとしての未来を奪われた丈が、ハンターとなって、ゾーンと戦うお話です。まんま、正義の味方のお話ですが、ハードボイルドなお話でしたね。ストーリィとしては、非常にシンプルなんですが、心に熱く、胸には哀しみが訪れる物語でした。

始めはどうも丈のことが好きになれませんでしたが、いけ好かない態度の影には、孤独が隠されていたり、彼を介護する美咲と腹を割って話すようになってから、内面がいろいろ見えてきて、だんだんと興味がわくというか、欠点が魅力に見えてくるから不思議です。側にいる美咲が、彼の長所を見出していってくれたのは、大きいかったかも。
側にいることしかできないと悩む美咲でしたが、彼女の存在そのものが、丈の力になっているという関係が良いですね。

そんな中、敵であるゾーンについて、研究所すら秘密にしていることに、丈が気づいてしまったところからは、不穏な空気が流れてきてドキドキでしたね。事実が心にのしかかるようになり、押しつぶされてしまうのかと思った丈でしたが、彼を優しく包んだ美咲の言葉は、どれほど丈を力づけてくれたことか。
たったひとりでもいい、わかってくれる人がいてくれるから、正義の味方は戦えるんだと思いました。

誰一人知られることのない正義の味方の戦いに、熱いものを感じた後、待ち受けていたのは、悲しみで。

ストレートな展開でしたから、予想できなくはないです。それでも、それでも、あの悲しみは回避してほしかった。銃を手に取らざるをえなかったことよりも、彼女の部屋にあったフィギュアを見たとき、涙が浮かんでしまいましたよ。何を一番やりたかったかと言う気持ちが、これほどはっきりと伝わってくるなんて……。

最後の戦いは、ちょっと長いなと思うところがありましたが、ヒーローものの王道的な熱い物語に痺れました。個人的には、もうちょっと甘いところがあるほうが好みなんですが……、ま、こういうお話だったら、このくらいハードボイルドなほうがいいか。

ゾアハンター - 大迫 純一

ゾアハンター
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