久しぶりの休暇を迎えて、マティアが楽しみにしていた「単身楽団の歴史展」へ行くために、博物館へ向かった二人を待っていたのは、博物館の警備員の死体だった。しかも犯人は監視カメラに一切写っていない。となれば、これは精霊の仕業かもしれないと睨んだマナガたちだったが、事態が進まぬうちに、マティアが倒れて……
5秒ごとに切り替わる36台のカメラをすり抜けた殺人事件を追うお話だったんですが、いやあ、すごかったですね。事件そのものは、実はそれほど複雑なものではなかったんですが、マティアとマナガが別々の場所で、絶体絶命の危機を迎えたときは、もうどうなるのかと手に汗握りながら、ドキドキしっぱなしでした。
まあ、今回は事件そのものよりも、前作で語られていた「いつかくるその時」が、目の前に突きつけられるところが焦点ですよね。苦しむマティアの姿を目にしたときのマナガの様子ときたら……。わかっていても覚悟なんて決められるものじゃないのに、それでも考えなければならないのは辛いです。
でも、マティアはマナガと智にいることを負担に思ってないんですよね。弱った体を酷使するのは、マナガのためだし、マナガに危険が訪れたなら、無理をしてでも神曲を届ける。小さな体にどれほどの決意を秘めているのかと驚きました。むしろ狂気に近いものを感じて、ゾクゾクです。マナガよりもマティアのほうが、相手に対して依存しているところが多いのかな。いったい、二人はどんな出会い方をしたのか、知りたいですね。
中盤からは、ひょっとしてこれでシリーズが終わっちゃうんじゃないかと思うほど、緊迫した展開の連続で、読んでて怖かったですよ。まさか、まさかと思いながらずっと読んでましたが……まだちゃんと話は続くみたい。よかった。お約束だろうがなんだろうが、良かった。
別れについては、切ないものがありますが、それでも幸せな別れ方はあるでしょう。おそらく今回出会った精霊と楽士が、幸せな別れでしたよね。他にも何らかしらの方法があるかと思いますが、マナガやマティアは、二人の思いもあるし、バックアップしてくれる人たちもいるので、きっと幸せな解答を作り上げてくれると思います。
神曲奏界ポリフォニカ レゾリューション・ブラック
大迫 純一
ソフトバンククリエイティブ(文庫)
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ちなみに、8月10日にブラックのキネティックノベル(Windows版)が登場するとか?
BUNBUNイラストと言われると、食指がうごきだす……
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