どうも昭子の様子がおかしい。何かを隠しているようだ。たぶん、昭子から何かを言い出してはこないだろうけれど、招喚者でない者に能力を与えるという「乾きし者」なる集団が、弘樹たちに手を出してきている状態では、何かあったときに危ないかもしれないと、弘樹と真昼は、こっそり彼女のあとをつけた。
そこにはかつて、昭子が思いを寄せていた啓司が待ち受けていて……
異世界との交流を自由にしようとする弘樹たちサモナーと、人を導く「天使」たちの戦いといったところかな。精霊バトルアクション完結となるお話です。
サモナーの正体が世間に知れ渡ったからといって、おいそれと人々が現実を受け入れるとは限らないわけで、そのあたりがあまりわかっていない、弘樹の理想主義的な青臭さがなんとも鼻につく。まあ、そこは弘樹のいいところでもあるんだけど。
このあたりは周囲の人が、特に真昼、昭子あたりがいたから、ここまでこれたんだろうなと思いました。ひとりではできないことがあっても、みんなで力を合わせればというのは、王道ですがいいですね。
前作では、いろいろとひどい目にあっていた真昼でしたが、今回はそんなこともなく、弘樹に対してかわいく挑発したり、結ばれたりと、何かいいことばかりだったようで、良かったです。発言が何かと過激に思えましたが、優柔不断な弘樹に決断を促すという点では、良かったんでしょうね。
天使を率いる「乾きし者」のやり方は、人を支配するという意味では非常にうまいですよね。道を示し、最後まで手をとってくれる存在がいたら、ついていきたくなる気持ちはわかるだけに、それを人の弱さといわれると、心に痛いものがあります。
与えられるものだけを手に取るのではなく、己の手で探すことが大事であるというのは、正しいことだと思いますが、ちょっと説教くさくて辟易。
そのせいか、正義の戦いとしての説得力が微妙に感じられなかったりするんですが、最後の戦いを終えても、変わらずに人とサモナーと異世界の住人たちを信じ続ける弘樹の姿は良かったと思います。
個人的には前巻で終わっても良かったんじゃないかなと思いましたが、ここまで語られたからこそ、弘樹たちのやりたいことが見えてきたのかもしれないので、そういう意味では読んでよかったかもしれません。
デモンズサモナー4 淨闇の印章 GA文庫
中里 融司
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