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[大迫純一] 神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック

狭い寝室で、老婦人は死んでいた。遺体を発見した娘が言うには、その場には精霊がいたという。調査を進めていくうちに、神曲楽士であった老婦人と契約を結んでいたという上級精霊レオンが容疑者として浮かび上がってきた。
警察署の遺体安置所、被害者の葬儀など、姿を現しては隙を突いて逃げだしていくレオンをふたりは追いかけるが……

重要参考人として追いかけた精霊は、神曲楽士と契約をしては、短期間で別れていくという謎の行動を繰り返していた……ということで、どちらかといえば、事件の犯人との対決というより、神曲楽士と精霊による契約に焦点があたったお話だったような気がします。

マナガとマティアが契約したいきさつは、以前から気にはなっていましたが、なかなか明かしてくれないので、もどかしいったらないですね。マティアの過去が深くかかわってくるみたいなのは、以前から感じていたんですが、いったい何があったんだろう。
マナガじゃないとダメってことが伝わってくるだけに、気になりますね。

今回の話では、取り乱すマナガを随所に見かけたのが印象的でした。容疑者であるレオンが、マティアに一目ぼれして、契約を申し込んだところでの焦りっぷりには、笑いが止まりませんでした。まさか、あのマナガが噛むなんて!驚きつつも冷静にかわすマティアとの対照的な態度が心に残ります。
そしてもうひとつ。マナガの本気の怒りが見えるシーンも、強烈でしたね。警察の力を借りず、自分の手で引導を渡すというところに、契約した相手との絆の強さ、重さを感じました。

まあ、多くの人と契約をしたというレオンとて、決して軽々しい思いでやったわけではなく、不器用な思いから、来てるものなんですよね。いつか終わるときがくるというのは、精霊と人間という差がある以上、頭では分かっていても、納得できるとは限らない気持ちが良くわかります。
このあたりは、マナガも同じで、マティアの「もし、あたしが先に死んだら……」という言葉に対する返答は、涙を誘われるものがありました。

同じ思いを持つもの同士が、拳で語り合うところは、ごちゃまぜになった思いをすっきりさせるために、必要な手順だったんだろうなと思いました。何とも熱いやり取りですね。
失うことがあるとしても、共にいることを望んだマナガが勝ったのは当然のことだと思いました。いや、もともと強すぎるんだけどさ。

それにしても、このレオンのキャラはいいですね。妙な免許も取ったことですし、ひょっとして、今後もちょくちょく出てくるんじゃないでしょうか。この奇妙な三角関係は(あ、だからトライアングルなのか?)、マナガとマティアの絆をより強くしてくれそうなので、今後が楽しみですね。

神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック GA文庫 - 大迫 純一

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