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[飯田雪子] クリア・ヴォイス

叔父が所長をしている探偵事務所で働いていた花南が、初めて任された仕事は、聞いたこともない無名の歌手が、海外公演に行く際のボディーガードだった。事務所の先輩である庸之介と一緒とはいえ、力仕事はからきしな人だから、たぶん、付き添いという意味なのだろうと、はりきって待ち合わせ場所の空港へ向かったら、いきなり爆発事件に巻き込まれて……

爆発事件、脅迫状などなど、誰かがしかけてくる妨害にもめげず、公演を成功させるために頑張る探偵たちのお話です。

初仕事ではりきってるところに、別のところから来た同業者の恭一郎が、経験、体力、行動力、どれをとっても自分たちより上なんて現実を見たら、やる気がなくなりそうだけど、自分ができることをやろうと、いろいろ模索する花南の姿が良いですね。好きだなあ、こういう子。

花南より年上のわりに精神的に子供っぽい庸之介が、ハッキングやら悪どいことで、いろいろ情報を持ってきてくれるのはいいけれど、役に立つような情報と、混乱の元になるような情報など、判断に困ること困ること。
恭一郎の情報と合わせることで、仕掛けてくる人は、比較的早い段階でわかってくるものの、動機や裏にいる人が、見えそうで見えないのが、なんとももどかしいです。

無愛想で、わがままな感じで周囲の人に反抗する奎が、妨害にあっても公演をやめようとしないのは、意地とかではなく、歌うことに対して真摯だからなんですよね。反発するのは、歌わせてもらえないがゆえの不安の裏返しであるという奎の気持ちが伝わってくるあのベランダのシーンは、とても印象的でした。

まさかその真相でくるとはと思わなくもないですが、守りたかったからという気持ちは、とてもよくわかるなあ。傷つけたくもなかったから、言えなかったんでしょう。誰が悪いわけでもなく、むしろ自分が悪かったのかという事実は重いものがありましたね。

そのままだったら、心の奥に閉じこもってしまったかもしれない奎を、立たせて、前を向かせた花音の行動がホント良かった。もし、自分があの場にいたら、一生忘れられないでしょうね。ほんの少しのシーンだったけれど、心が高ぶる思いでした。
前を向くことが得意とはいえ、今回の出来事は心情を考えると切ないものがあっただけに、奎が送った言葉で、花音も救われたんじゃないかなあ。

ちょっと都合よかったりするところもあるんですが、最後に笑って終われる清々しさが、いいじゃないですか。いい歳したおじさんの恭一郎はいい味出してるし、花南の頑張る姿はとても素敵だし、これはシリーズ化してくれたら、嬉しいな。

クリア・ヴォイス - 飯田 雪子

クリア・ヴォイス
飯田 雪子

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なんとなく好感の持てる話だった。なんとなく。アイディア的にもストーリーテリング的
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頑張る娘さんの探偵物・・・・・・だと単純に思っていたんですがんーあの依頼人の正体

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