中学校の終業式も終わり、夏休みが始まってから、従兄弟の冽史と連絡が取れなくなってしまった。家にいるのに、彼の祖母たちが取り次いでくれないのだ。
友人である秀一と敬道から、冽史から家庭の事情を聞いた広樹は、大人たちの思惑に振り回されるのはたくさんだと、四人で協力して東京へ向かう準備を始めたが……。
1979年ということを考えると、家庭の事情は重いのかもしれませんが、それ以上に家柄を重んじる人たちからしたら重大な出来事なんでしょうね。これは今でも同じかもしれません。
そんな家柄を気にする大人たちを醜いといっては何ですが、都合や理不尽さを押し付けられることに、抵抗感がある少年たちの様子が伝わってきます。これは子供の目を通してるというのもあるんでしょうね。
やや重い雰囲気を乗り越えての中盤からの冒険ものっぽい展開にはワクワクしたんですが、わりとあっさりと進んでしまってちょっと拍子抜け。現実にはこんなもんなんだろうなと思いますが、盛り上がっていただけに残念です。
子供だからこその正義には、勝手だなと思うところが多かったですが、現実を知っていくことで、少年たちが成長していく姿はなかなかよかったです。冽史が抱えることになった闇をどう処理していくのかと思いましたが、思ったほど発展しないのは、もったいない気がしないでもありません。
読み始める前はさわやかな青春ものかと思っていたので、全然違う展開に戸惑いましたが、悪くはないですね。ただ、期待したほどではなかったかな。全体的に物足りない感じでした。
それと、これは僕だけかもしれませんが、何か文章が読みにくかったです。とくに会話が。微妙なイントネーションが伝わってこない関西弁の会話文は、否定しているのか肯定しているのかわかりにくくて、何度読み返したことか。関西弁に慣れてる人だと、普通に読めるのかなあ。
物語とちょっと違うところでひっかかっちゃったのは、楽しめなかった理由のひとつになってるかもしれません。
クレイジーカンガルーの夏
誼 阿古
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