隣に引っ越してきた男の人は、ちょっと変わった人だった。引越してきたら隣近所にパスタを配るんだもん。
そういえば、空き地が一日で家が建ったような気もする。
次の日に様子を見てみると、なかなか片付かないらしい。思わず手伝ってしまった。
ようやく一息ついたとき、お隣さんは紅茶を淹れてくれた。とても美味しかったが、なぜかポットが電話のように鳴り響いて……
お隣さんが魔法使いっぽい描写は匂わす程度しかないし、その力で何か得することなんてない。冒険などもなく、日常を描いた物語なんですが、優しい雰囲気が心地よい。
でしゃばりすぎず、でも少女らしい強引な行動をするメアリーが微笑ましいし、そんな少女に振り回されて、困った顔をしながら優しく微笑むお隣さんのトゥックトゥイックが素敵。
各章の最初に必ず繰り返される
「ツクツクさん」
「トゥックトゥイックです」
という当たり前のように繰り返されるやり取りが楽しくなってきます。
最後の最後で、ああ、そういう意味もあるのかと、ある意味、逆転のようなオチにニヤリとしてしまいました。
こんな素敵な物語の続きが出るのであれば、容赦なく買いますよ、ぼくは。
お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 (GA文庫)
篠崎 砂美
ソフトバンククリエイティブ(文庫)
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