マユコは腰に手を当てたいつものポーズで、ビシィと小次郎を指さした。
「魔王をいじめるなんて、そんな悪い子はプロフェッサー認めません!」
「魔王なのに!?」
「壊れたフランス人形」を称される破壊的ファッションセンスの持ち主であるマユコの人形・ウェディングドレッシィ(ウェディングケーキの人形)に異世界から逃げてきた魔王を追ってきた勇者・小次郎の魂が入り込んでしまった!魂が力を取り戻す真夜中だけは人間の姿に戻れるものの、格好は人形の時に着ていた衣装のまま。これでは魔王と戦えないと嘆く小次郎に、マユコは衣装係を買って出るが……破天荒な女の子とへたれな勇者が、子煩悩で几帳面な魔王と戦う物語。
楽しかった楽しかった!序盤は、おいなんだこのマユコのセンスは、おい勇者ヘタれすぎるよ……と思ってたんですが、進むにつれてぽんぽん飛び出るマユコのアイデアにニヤつき、意見を聞いてもらえない勇者の不憫さとそれでも頑張ろうとする姿に萌えつつ、そんなふたりを合わせて上回るほどのキャラだった魔王が最高でございました。
逃げ延びて力が回復していないときの、なんか、こう、リストラされたお父さんみたいな哀愁漂う背中や、勇者を退ける為の策を練ると巡り巡って自分に降りかかるブーメラン体質、几帳面で手芸が得意になってしまったり、魔王がとりついた男の子どもにでれでれな姿とか、何このお父さん。初めは魔王を倒す為に頑張ってた勇者と彼の服を作るマユコ&手芸部員たちが、いつしか魔王と仲良くなっていくのもわかる気がする。マユコなんて人生相談までしちゃうし。
たしかに好きなように生きるというのは、とても難しいもので、人に合わせるほうが楽なことってあると思う。ゴスロリ姿で生きていくため、あらゆる事に努力する冥華先輩の姿は、とても格好良くもあり、息苦しくも感じる。さて自分はどうだったかと振り返ったりして、ごにょごにょ。
それはいいとして。
戦いながらだんだんとなれ合うようになり、それはそれで良いはずなのに、徐々にマユコが不安を覚えていくから、何でだろうと思ったけれど、そうか。彼女にとって衣装係というのは……個人的にはもうちょっと恋の様を見せてくれたら、悶えたんですが、暴走した魔王を対決した後の手芸部員たちを励まそうと頑張るお父さんの姿に萌えたので、ぜんぜんOKです。もう大好き。
つぎはぎ勇者の衣装係 (Regalo)
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