「伝令は何を知らせに?」
「……崩御」
「え?」
「皇帝が、死んだ」
東方の国の五人の皇子の呪いを解くことができるのは、奇跡の実のみ。西の都で植物を育む力を持つ大学生カナンは、奇跡の実を育て、皇子たちの呪いを解くために、東方の王宮で暮らすことになるシリーズの第四弾。善との婚儀を間近に控えつつ、謎の四角関係に悩んでいたら、皇帝崩御の知らせが舞い込んで……シリーズ最終巻です。
いやー、ドキドキだった。相手を思うからこそ、皇帝につけこまれて罠にハマっていく展開は、心臓に悪い。一度だけという、言うなれば誘惑に負けて、大切な人を怒らせて、すれ違ってしまうのは、何ともやりきれないものがありました。
それにしても、皇帝陛下は悪い男だなあ。人あらざるものという魅力に皆が無視できず、それを良い事にやりたい放題じゃないですか。魂の駆け引きのみならず、寝取りとか本当に危ないったらありゃしない。でも、何ていうか、子供のような所があり、最後に「家族」なところを見せられると……いや、だからといってやっていいことと悪いことはありますけどね!
カナンと善、律と晃などなど、それぞれのカップルが、もう逢えないはずだった母との再会を経て、様々な想いを交わしながらも、未来へ向かうための意思をはっきりさせていくという展開は、とても良いものでした。特に律と晃はね!もう、クーってなる。照れ隠しな晃の暴力とかニヤニヤしちゃいますが、最終的に律がどうやって結婚に持ち込んだのか、とても気になります。
終わってみたら、とても「家族」なお話で、面白かった。その後のお話とか、お母さんたちの関係とか、もうちょっと読みたかったなあ。
はなあそぶ-淵国五皇子伝- (一迅社文庫アイリス)
古戸 マチコ
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