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ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。 / 朱門優

「どうするつもりだ?」
俺のその様子に陛下が尋ねた。
「あいつさ、俺の妹を泣かしたんだよ」
だから。
「ぶん殴ってくる」

幼なじみの巫女・穂積之宮いちこと日輪が繰り広げる神様と青春を描くシリーズの第二弾。今回は、日輪の義理の姉妹が住む街の玖海神社にまつわるお話です。

約二年ぶりの続編ですね。設定とか忘れてましたけど、読み進めるうちに思いだしていきました。いちこがとても可愛くてニヤニヤしちゃう。

義理の姉と妹との再会が七年ぶりということで、懐かしさと恥ずかしさと申し訳なさと、そんな複雑な感情が入り交じっていましたが、逃げようとせず、面と向かうあたりに、変わっていこうとする彼の思いが伝わってきます。

お姉さんは、堕落させる意味でやばいものの、接しやすい人でしたが、一方の妹は、まるで自らを神だと言わんばかりに傲慢で、何が彼女を変えたんだろうと不思議に思いましたが、話が進むにつれて、少しずつ見えてくる姿に、いじらしさを思う。ああ、彼女が欲しかったのは、家族だったんだ……と。 逃れられない名をなんとかしたいと願った少女の思いを、誰が責められようか。

さらには、別れたはずのアネモイとの出会いが、切ない思いを引っ張り出してくれるんだ。町から町へ。そういう存在である以上、別れは必然だけれど、寂しさを覚えないわけがなく、なまじ再会できてしまったら、なおさら離れがたい。そんな思いが切々と伝わってきて、きゅんとなる。こういう描写いいなあ。ほんといいな。

神社を救うという話から、神の不在が発覚して、それを解決すべく動いた「おにいちゃん」の格好よさに熱くなり、人と神の絆を、信頼を見せてくれたアネモイの言葉に、じわっときました。

一巻とは異なり、この二巻は、続きを前提とした終わり方ですね。またアネモイやいちこたちと出会えるのかなと思うと、嬉しくてなりません。

ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。 (一迅社文庫 し 2-2) - 朱門 優

ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。 (一迅社文庫 し 2-2)
朱門 優

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