「……お前も知ってるんだろ?『女神の贈り物』ってヤツなんだけど」
(やっぱり-!)
「なんでも、ラシード先輩が企画してて、全員参加っていうんだろ?寮に戻ったことがわかったら、イヤでも巻き込まれるじゃん」
「そ、そりゃそうですけど……」
「なんで俺がろくに知んない相手にプレゼントなんかやんなきゃなんねーんだよ。冗談じゃねー。もうらうんならともかく」
音楽家だった亡き父の楽譜を探し出すために、弟のサディの名でロウエン王国の聖楽学院(女子禁制)に入学したアティーシャが繰り広げる騒動満載のスクールライフ第五弾。今回は、夏休み途中に寮へ戻ってきたら、相手の喜ぶプレゼントを相手に気づかれないように贈る「女神の贈り物」なイベントに巻き込まれて……という夏休み物語の後編です。
まったくもって不器用だなあ、ネイトは。アティーシャに危険が及ばぬようにというのはわかるけど、何も「嫌い」であるとか言わなくてもいいのに。落ち込むアティーシャが可哀想でならなかったけど、そんな様子を伝え聞いて、もやもやする姿に自業自得だとニヤニヤした僕がいる。
それはともかく、「女神の贈り物」はいいですね。たしか海外にそういったイベントがあるのは聞いたことがありますが、くじに書かれた名前の人に気づかれないよう喜ばれるプレゼントをあげるというのは、相手のことを知らなければならないし、その人の知り合いと話をする必要も出てくるしで、自然と友達ができていきますよね。
できればそういった模様をもっといろいろ見せてほしかったなあと思ったけど、まあ、ページ数的に難しいか。ケンカした二人が仲直りするためのイベントとして、とても良かったです。
今回、ネイトの意外な一面が見えましたが、そんな心の傷をアティーシャのおかげで吹き飛ばした感がある……かな?
騎士としての覚悟を決めてくれたようで、とても格好よかった。いやあ、今後どうなるのか楽しみだなあ。
夏の王と秋の女神―聖鐘の乙女 (一迅社文庫 アイリス も 1-5)
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