「てめえに教えてやることがある」
どの方向だろうと、全力で飛び出せるように身構える。
「こいつはただの美人の王女様ってわけじゃない。よく食って、よく泣いて、よく笑って、あちこち歩きまわって地図を描くことが好きな、変わり者だが、おもしろいお姫さんだ。ただの王女としてしか見てねえようなおまえには、正直もったいねえ」
星を眺めて地図を描くのが好きな第五王女リーナが、侍女のサラ、護衛として雇った傭兵のダールと共に、地図を描く旅をするシリーズの第二弾。今回は、リーナの恩師が領主として赴任している都市タヴァストの地図を描くお話です。
これは面白かった!
リーナの目を通すと、都市にはそれぞれ性格があるのがよくわかる。好まれる色の違い、料理の味付けなどなど、ほんの些細なことが、都市を作っているんだなあと思うと、共に旅をしているような気持ちになれるから楽しい。意地悪婆さんとのやりとりとか素敵ですよね。
実際に共に旅してるサラとダールも、気心しれた感じになってきて、憎まれ口を叩きあう様にクスっとしたり、思いがけずドキドキな一面を見せるところにはニヤニヤしたりと、いいパーティだなと思うばかり。サラがいると恋模様への発展はなかなかないけど……どうなんだろうね。リーナとダールが抱える離れがたい思いってのは、いつか芽生えるものがあるのかしらと興味津々。
さて、そんな中、ダヴァストを訪れたら、そこでは天災により難民があふれ、さらには側の森に住むエルフとの関係も悪くなってる状況で、王女という身分からリーナに大きなモノがのし掛かるから大変。
余裕のない彼女の様子は痛々しく思えることもあったけれど、間違ったことは素直に過ちを認め、仲間の力を借りながら前を向く姿は、ダールならずとも見守りたいと思わせるものがあります。これは資質だよなあ。
最後に都市の人全員が一丸となって行動するシーンは、彼女だからこそ起こせた波だと、そう思います。
いやあ、面白かった。地図を作り上げていくワクワク感は今回も健在でした。しかも次は海図になるらしい?
ちょっと厳しいお姉さんと共に行動するとなると、ダールは大変だろうなあと思うけど、彼は彼でまた意識が変わってきてるようなので、これからが楽しみですね。とてもオススメなシリーズです。
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