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[十文字青] ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説

「最後に」
彼女は顔を上げた。
「一度だけ」
そうして、ぼくをまっすぐ見た。
すがるように、ぼくを見つめた。
「キス、してください」

可愛い妹にお弁当を作ってもらい、「ぷるりん?」と話しかけてくる幼なじみを相手にしながら、平凡な毎日を過ごしていたユラキだが、ある日、好きなクラスメイトの桃川みうの電話番号を入手したら、彼女から電話がかかってきて……という頂点とドン底と、そこからの再生を描く恋物語。

これはやばかった。
好きな人と一緒に出かけることができて……という幸せ模様から、まさかこんなにどん底な気分にさせられるとは思わなかった。思春期らしい潔癖さと欲望とが合わさって、嫌悪感を抱いていく様もさることながら、悪意に当てられていく様がもう……。

家の外だけならまだしも、かつて自慢の、今は苦手となった奔放な姉と、それまでとても仲がよかったの、姉とのじゃれあいをみて急によそよそしくなった妹に挟まれて、まさに休む間もない。

それでも頑張って頑張って、少しずつ壊れていく様が辛かった。なぜここまで我慢してしまうのかは、ちょっと理解に苦しむところではあったんだけど、意地とどこか信じた気持ちがあったんだろうなあ。

やさぐれる元気があるうちならまだしも、吐き気を催すほどになり、ついには元気もなくなってしまうところではどうなるのかと思ったけど、ここからの再生模様はほんとよかった。

姉のかいがいしい世話が礎となり、再び友と呼べる人ができて、心を傷つけた寂しい人と初めて向き合えて。
そして何より自分を見守っていてくれた人と思いを告げることができた展開には、温かさを感じるばかり。
まあ、ぷりるんの気持ちを考えると、辛いという意味では……なんて思ってしまうけど、再びたつことができたのは、愛だなあ。うん。

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫) - 十文字 青

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫)
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ぷりるん。 †特殊相対性幸福論序説† from お亀納豆のライトノベルまっしぐら 2009-10-23 (金) 10:48
著:十文字 青 イラスト:ま@や(ま・あっとまーく・や) 「ぷりるん」 約三ヶ月の積み。『ANGEL+DIVE CODEX』二巻と同時発売。 というわけ...

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