Home > ライトノベル > [上原りょう] 白銀のローレシアン 願う少女と迷い糸

[上原りょう] 白銀のローレシアン 願う少女と迷い糸

「あ、ごめんなさい。違ったわ。キミは生徒会役員というより、私の臣下になるの」
「な、何で、俺がそんなことを……」
「それはキミが神秘の影響を受けているから」
「は?」
「……キミ、最近変な異能とか持っちゃったでしょ?」

不思議な夢を見たその日から、人間の因果の糸を操る異能に目覚めた高校生・武実が、生徒会長の座に君臨する女帝・賀陽院黎子に目をつけられて、彼女に従う白銀の髪を持つ少女ローレシアンと共に臣下にさせられて……というお話。

因果の糸が見えるってだけならまだしも(それだって好きな人の糸とか見たら……ねぇ?)、面白半分に糸をいじって、人間関係をいじれるってところには、ちょっとゾクっと来るものがありました。なまじ、武実が普通の男の子だから、悪意なくやってしまうところが恐ろしく思える。
まあ、おかげで女帝たる黎子に目をつけられる羽目になるわけですが。これぞ因果は巡るってやつですか。

っていうか、この黎子が……すごいね。女帝といわれるほど才色兼備なのはいいとして、世界征服をまじめに狙うっていうんだから、何ていうか、こう、ドン引きした後に、苦笑した僕がいる。突拍子がない上に、学園の生徒たちに持ち上げられまくる姿は、ちょっと受け付けないものがあったりしましたが、まあ、会長はいいや。

それよりも、道具としての価値しか見出してもらえないローレシアンと武実の関係が良かったです。
壁を作っていた少女と共に過ごしながら、世話焼きをしているうちに、彼女の中にある暗いものを見つけてしまい……、ローレシアンもまた武実の優しさに戸惑いながら、心許していくところに、温かいものを感じました。

とはいえ、ローレシアン自身、抱えてるものは大きくて。彼女を狙う輩が現れたとき、諦めモードになった気持ちはわからないでもありませんでした。でも、少しだけ心を許した少年が助けにきてくれたら……ねぇ?

途切れた糸は、誰とつながるためにあったのか。
その結末は、わかりきっていてもいいものでした。やっぱボーイ・ミーツ・ガールっていいなあ。

白銀のローレシアン―願う少女と迷い糸 (一迅社文庫 (う-01-01)) - 上原 りょう

白銀のローレシアン―願う少女と迷い糸 (一迅社文庫 (う-01-01))
上原 りょう

一迅社(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[上原りょう] [一迅社文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [上原りょう] 白銀のローレシアン 願う少女と迷い糸

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2665
Listed below are links to weblogs that reference
[上原りょう] 白銀のローレシアン 願う少女と迷い糸 from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [上原りょう] 白銀のローレシアン 願う少女と迷い糸

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top