「あ、ごめんなさい。違ったわ。キミは生徒会役員というより、私の臣下になるの」
「な、何で、俺がそんなことを……」
「それはキミが神秘の影響を受けているから」
「は?」
「……キミ、最近変な異能とか持っちゃったでしょ?」
不思議な夢を見たその日から、人間の因果の糸を操る異能に目覚めた高校生・武実が、生徒会長の座に君臨する女帝・賀陽院黎子に目をつけられて、彼女に従う白銀の髪を持つ少女ローレシアンと共に臣下にさせられて……というお話。
因果の糸が見えるってだけならまだしも(それだって好きな人の糸とか見たら……ねぇ?)、面白半分に糸をいじって、人間関係をいじれるってところには、ちょっとゾクっと来るものがありました。なまじ、武実が普通の男の子だから、悪意なくやってしまうところが恐ろしく思える。
まあ、おかげで女帝たる黎子に目をつけられる羽目になるわけですが。これぞ因果は巡るってやつですか。
っていうか、この黎子が……すごいね。女帝といわれるほど才色兼備なのはいいとして、世界征服をまじめに狙うっていうんだから、何ていうか、こう、ドン引きした後に、苦笑した僕がいる。突拍子がない上に、学園の生徒たちに持ち上げられまくる姿は、ちょっと受け付けないものがあったりしましたが、まあ、会長はいいや。
それよりも、道具としての価値しか見出してもらえないローレシアンと武実の関係が良かったです。
壁を作っていた少女と共に過ごしながら、世話焼きをしているうちに、彼女の中にある暗いものを見つけてしまい……、ローレシアンもまた武実の優しさに戸惑いながら、心許していくところに、温かいものを感じました。
とはいえ、ローレシアン自身、抱えてるものは大きくて。彼女を狙う輩が現れたとき、諦めモードになった気持ちはわからないでもありませんでした。でも、少しだけ心を許した少年が助けにきてくれたら……ねぇ?
途切れた糸は、誰とつながるためにあったのか。
その結末は、わかりきっていてもいいものでした。やっぱボーイ・ミーツ・ガールっていいなあ。
白銀のローレシアン―願う少女と迷い糸 (一迅社文庫 (う-01-01))
上原 りょう
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