「このまま引き返しなさい」 ―― 父親の知り合いが理事長を勤めている谷津柱高校へ編入することになった際、出会った少女は、そういった。戸惑ったものの、帰る場所がない左記子は、少女の言葉に不安を覚えながら、敷地内へと足を踏み入れたが、その学校には、奇妙な規則が設けられていた。いわく「この地に古くから伝わる会談『やっつめの怪談』については、いっさい口にしてはならない」
だが、『やっつめの怪談』が死者を呼び込んだことを知った左記子は、禁じられた噂を調査し始めて……
これは面白かった!
いや、まさかラストがあんな展開になるとは、予想もしてませんでしたよ。揺れ動く彼女の心を見ていたら、もしかしたら……と思っていただけに、最後の決断があまりにも切ない。
それにしても、このホラーテイストな雰囲気はよかったなあ。
校則は比較的緩やかなのに、唯一厳しいことは、外部との連絡がまったく取れないことで、どこかおかしいなと思いながらも、他の生徒たちと過ごしているうちに、気にならなくなっていたのに、「噂」がらみで亡くなる人を見てしまってからは、一番やってはいけないとされている噂の調査を始めてしまうんだから、ドキドキがとまりません。
特に左記子は、なんていうか、こう、どこかおっとりとしたものを感じさせるので、危なっかしくて。
学園に何か秘密があることは、早いうちから見えてるので、その指揮を執っている理事長の娘・倉宮凪の動きは、いろいろ気になってたんですが、だんだんと左記子が凪を信頼していってるように見えるところで危ないと思いつつ、でも、ひょっとしたら、親切に警告指定くるルームメイトの絵梨の素性も怪しく見えて、さあ、どうなるのかと興味津々。
真夜中の礼拝堂の出来事から学園の謎が見えてきてからは、左記子だけでなく、倉宮凪の心の揺れも大いに感じて。
噂となったタタリ姫の真実と、凪がどの道を選ぶのかというあたりで、もうどうなっていくのか読む手が止まらなくなった最後に……
これは絶対続きが読みたいです。読まずにいられないです。まさか、ここで終わるなんて事はないですよね?
ものすごく期待しているので、ぜひともよろしくお願いします。
暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2)
萩原 麻里
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