一年前、妹のように思っていた幼馴染の莉子が、突然、登校拒否になった。原因がわからないまま、時は過ぎ、ようやく復帰したが、彼女の心の傷が癒えたとは思えない。いったい彼女に何があったのか。莉子の相手をしながら、情報を集めていた傍島久登は、ある日の真夜中の学校で、仮面を付けた生徒たちによる儀式を見てしまった。学校に広がる噂に、悪意ある煽りを行う者たちの集会。もしかして、こいつらは、莉子の件に関係あるのでは?
そして、情報を得るために、儀式にかかわるようになった久登だが、気づけば身動きが取れないほど絡め取られていて……
これは面白かったなあ。
学園内でのフリーメーソンな集団に関わるというのは、どれほど危険なことかわかっているだろうに、それでも、莉子の情報を手にするために、突き進んでいくから、ハラハラしまくり。特に「互いの正体を探ってはいけない」というルールを破っていくところには、もう……。
自分の正体はバレてる時点で、弱みを握られてることに気づけよとツッコミながら、読み進めてたのは、僕だけじゃないはず。
で、その集会でやってることは、校内の噂に対して、何らかしらの行動を取るというもので、いわゆる(勝手な)正義の捌きに近いものがあるんだけど、人を駒のように動かすところに、悪意を感じて、なかなか嫌な気分にさせられる。しかも、メンバーのうち、誰が手を下したかわからないようになってるあたりが、憎いね、この。
何人かの正体はわかり、事件によっては誰が手を下したかもわかるけど、調べるほどに謎は深まり、何者かによる警告が連続し、ついには莉子にまで手が伸び始めてくるんだから、素敵にサスペンスでした。面白いなあ。
ある程度進むと、枠組みの一部分が見えてしまうところは、ちょっと物足りないものがあるんだけど、といいつつ、二度目の衝撃にはしっかりやられたので、何も言えません。
ミステリアスな雰囲気とサスペンスな展開と、ラストの衝撃が良かったです。
月明のクロースター―虚飾の福音
萩原 麻里
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