Home > ライトノベル > [黒史郎] 黒水村

[黒史郎] 黒水村

「わ、私、ちょっと変、だよね?」
壊れる寸前の顔で、竜島は後ずさる。震える指で顔を指してくる。
― 私の顔に、なにかついているの?
頬に触れようとしたら、後頭部の髪の毛に触れた。
あれ。私、あべこべだ。

問題児たちを進級させるための救済プログラムとして、人里離れた辺境の村で、ボランティアをしよう。そんな慈善的ツアーに、問題児と、お手伝いの優等生、そして引率の先生の七人が、屋根も壁も真っ黒に塗りつぶされ、電気もろくに来ていない庫宇治村へと足を踏み入れたら……というホラー小説です。

村に入るまでの描写や村人の様子、そして村で育ててるアカモロなど、舞台設定を読んでるだけで、何が起こるのかワクワクしちゃうものがありました。さすがに四つの禁止事項は、どうかと思ったけど、禁忌があると盛り上がるものがありますよね。
ただ、それで期待しすぎたせいか、思ったほどでもなく感じてしまったのが残念です。

いや、人里離れた村の中で、買出しにいこうとして……とか、黒い雨が降ってきて……とかで、ひとり、またひとりと分断されていくところに、サスペンスなものがあるんですが、騒いでるうちに何とか切り抜けてしまうところがあるので、それほど怖さもないし……。こういうお話だったら、もっとジェットコースター的なものになってくれれば楽しめたんだろうけど、ちと物足りなかった。

とはいえ、恐怖に襲われたとき、今までいがみ合っていたクラスメイトたちが、手を取り合ったり、理性を失いながらも、最後の一線を守り抜いた家族愛などが描かれるところには、心惹かれるものがありました。まさか、「はわい」の最後にグッとなるとは思いもしませんでしたよ。
ってことは、結構気に入っていたのかもしれないなあ。たしかに、物足りなく思えたけど、楽しんでいた部分もいっぱいあったし。

いろいろもやもやしたものが残るので、著者の別の作品を読んでみたいな。

黒水村 - 黒 史郎

黒水村
黒 史郎

一迅社(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[黒史郎] [一迅社文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [黒史郎] 黒水村

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2431
Listed below are links to weblogs that reference
[黒史郎] 黒水村 from booklines.net
[感想][★★★☆☆][黒史郎]「黒水村」 from ただ、それじゃ終われないでしょ! 2008-05-27 (火) 23:05
「見てぇ、地獄って素敵よね。立花さんもあの本読んで思わなかった?極楽なんかよりも何百倍も楽しそう。何百年をかけても、私は必ずこの村の地獄の釜の蓋を開いて...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [黒史郎] 黒水村

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top