「じゃあその死神が俺になんの用なんだ?命でも刈り取りに来たのか?」
「何言ってんのよ、言ったでしょ。あんたを守りに来たって」
「いや、だからそれがいまいちよくわからんから訊いてるんだ」
「わかりやすく言うと、あたしはあんたの寿命担当なのよ」
「……つまり?」
「定められた寿命が来るまでに、勝手に死なれちゃ色々と困るのよ。だから、あんたに命の危機が迫った時、あたしがあんたを助けるの」
幼い頃から災難に遭うことの多かった笹倉恭也の前に、死神の女の子・キョウが現れた。寿命がくるまで守ってあげると言い出して、何の因果か一緒に住むことになったが……という学園ラブコメテイストなお話。
これは楽しかった!
守るためにやってきたといいながら、お約束なハプニング(お風呂でばったりとか)があると、死ぬほど痛いけど絶対死ねない刀で、容赦なく切りつけるんですから、まったく持って照れ屋さんです。いや、やられるほうは大変ですけどね。
はじめはドタバタしすぎかと思ったけど、だんだんこのやり取りが楽しくなってくるのは、それぞれのキャラクタの魅力があるからなんだろうなあ。
家だけじゃなく学校へ行っても楽しいのは、スポーツ万能、成績優秀、だけど親友である恭也に、隙あらば親友以上の好意を成し遂げようとする御柱克己と、そんな二人のじゃれあいっぷりを記録して、ブログにアップまでしてるちょっと腐な委員長・黒峰命のおかげでしょうね。この四人がそろってのやりとりは、毎度毎度笑わせてくれます。ある意味パターン化してるのに、ほんと面白いよなあ。
笑いだけじゃなくて、恋愛要素があるのもまた魅力で。普段は、何かあるとすぐ刀を振りまわすキョウが、時々恭也に見せる女の子な顔がほんとかわいい。まあ、普段が普段なんで、恭也は気づかない……どころかすぐ怒らせちゃったりするんだけど、それもまた青春っぽくていいんです。
実は克己にも好きな人がいて……とか、クラス対抗バレーボール試合とか、お約束と姑息さで、お笑い満載。でも学園ものらしい盛り上がりもあって、ほんと良かったです。
それだけに、彼女が死神だということが目の当たりにされる出来事は、ほんとつらかった。キョウのせいじゃないとわかっていながらも、反射的に避けてしまう恭也の気持ちと、そんな彼の気持ちがわかってしまうキョウの気持ちが、すごい心に痛くて。でも、諦められなくて。
クラスメイトのポツリとこぼした言葉に、誰よりも強く反発したキョウの姿が、とても印象的でした。
いやあ、面白かった。
ギクシャクしてしまった二人の仲を、例の人が取り持ったのは、どこか後悔する気持ちがあったからなんだろうなあ。恭也がかけた言葉は、きっとこの先、例の人の心をを支えてくれるに違いないと思いました。
そして、最後まで素直になれないキョウでしたが、でも、もう気持ちはわかりますよね!最後の言葉と笑顔のイラストがとても素敵でした。
あー、楽しかった!
死神のキョウ
魁
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