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[井上堅ニ] バカとテストと召喚獣 6.5

「まさか姉上、ワシに代わりに出ろと……?」
「そのまさかよ。アタシの制服を着て、胸に詰め物でもしたら、よほどのことがない限りばれないでしょ」
「胸に詰め物?何を言うのじゃ姉上。その程度のサイズであればそんなものはなくとも — あ、姉上っ!ちが……っ!その関節はそっちには曲がらな……っ!」
「秀吉。アタシね、すっっっごく困っているの。お姉ちゃんのお願い、聞いて貰えないかなぁ?」

テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第八弾。今回は短編集。以下の三編が収録されています。

  • 木下優子が弟の秀吉と入れ替わりを実施したらとんでもないことに……「アタシと愚弟とクラス交換
  • 男女三人ずつ+明久の姉で海に行く騒動を描いた「僕と海辺のお祭り騒ぎ(前編)(後編)
  • 神童と呼ばれた頃の雄二と、彼を思う翔子を描く「雄二と翔子と幼い思い出

初っぱなのカラーマンガに吹いてしまった。ムッツリーニの苦悩はこれからも続きそうですね。売れ筋的な意味で。

それはともかく短編集。
どれもこれもいつもながらの面白さを見せてくれてます。初っぱなの木下姉弟の入れ替わり騒動は、ある程度予想してたところと突っ切っていく笑いが楽しくてしょうがない。秀吉って、どこか抜けてるよなあとニヤニヤしながら読んでました。
たぶん、プロモーションビデオなら、姉よりも弟の方がみんな嬉しがると思うので、言っちゃえばいいのにと思った僕がいる。

で、今回メインであろう海話。
太った痩せたで一喜一憂する女の子たちの会話とかとても可愛らしいんだけど、それ以上に男の子たちが可愛かった。おかしいよ!なんで、こんなに男の子に萌えるんだよ!

水着披露、スイカ割りという定番をこなしてたら、美少女だらけの女の子たちがナンパされてるのを見て、さらにはあのムッツリーニまでもが……!という衝撃から、雄二と明久がナンパをし始める前編は、まだ序の口。いや、ムッツリーニの餌は、あまりに衝撃的でしたけど、それはともかく後編がすごかった。
天罰を食らった二人に、いつになく優しい空気が流れていたと思ったら、「罪には罰を、駄犬に鞭を」が始まるんですから。

アキちゃんの天然っぷりは予想してたけど、それ以上に素晴らしかったのが、まさかのムッツリーニである。ついに彼の時代がやってきたと思った僕は間違ってないはず(秀吉はいつだって別格だ)。

とまあ、いつもどおりのコミカルなお話だけじゃなく、ちょっと切なく、きゅんとくる幼い頃の雄二と翔子のお話もよかった。翔子の思いというのは、こうやって育まれていったんだなあと思う次第です。そりゃ雄二一筋になるよ。

雄二が翔子に対して素直になれないのは、自分の傲慢さを痛感したきっかけとなった人だからじゃないかなあ、なんて思ったりする。いつか普通に接することが出来たら、とてもお似合いになりそうですね。
その日を楽しみに待っていたいと思います。

バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫 い 3-1-8) - 井上 堅二

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