「何でまた泣くんだ?」
「ち、違うの……泣きたいんじゃないけど、悲しいとかじゃないんだけど……あのね、フィーナね、ラースといると、嬉しい……」
言葉を抑えきれずに言ったフィーナに、ラースが面食らった様子で目を見開いた。
「嬉しくて、胸がどきどきするの。嬉しいのに、苦しいのが止まらないの……」
落ちこぼれの魔法使いスウェナと、人型になれるドラゴン・メリルの恋物語の第四弾。今回は、メルディアの魔法学校に通っているフィーナの前に、周囲と馴染もうとしないラースが転校してきて……というお話。子供たちが中心となる新章スタートです。
人よりも多く寝て過ごしてるおかげで、年齢の割に幼く感じるフィーナですが、そんな彼女がだんだんとラースの事を気にかけていくようになる展開に、ニヤニヤです。はじめはつっけんどんな彼に、むくれてたのに、話し合ううちに……というのはいいですね。泣き虫な彼女が笑ったら、そりゃラースも、ね。
一方、もうひとりの子供のセツは、まさかまさかの女ったらしに(笑)。硬派なお父さんとは打って変わっての様子に、笑いが止まりませんでしたが、よくよく見てみれば、また悲しい恋をしてるんだよねぇ。
「失恋竜」というタイトルが続く限り、彼の恋は実らないのかしらとか、そんな邪推をしてしまう僕がいる。
町の人たちが魔族に対して見せる確執から、大きな事件が発生してしまいましたが、それを吹き飛ばしたフィーナの活躍っぷりは最高に楽しかった。まったく、彼女は楽しませてくれます。
反面ひねくれたセツは、最後にとんでもない事をしてくれましたが……。うーん、兄としての優しさといえなくもないけど、ちょっと酷いよねぇ。フィーナとラースとセツの今後がどうなっていくのか、続きが気になって仕方ありません。
失恋竜と契約の花嫁 ~恋をせずにはいられない~ (ビーズログ文庫 わ 1-7)
渡海 奈穂
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