「別に俺は好きこのんで後をつけるような真似をしたわけでは—」
不機嫌な声で、どこか言い訳がましい口調になりながら言ったメリルが、途中でその言葉を呑み込んで、今度は小さく舌打ちした。
「さっさと用事をすませて、家に戻るぞ。おまえが俺以外の……百歩譲って、セツとフィーナ以外のことでばたばたしてるのを見るのは、気分が悪い」
落ちこぼれの魔法使いスウェナと、人型になれるドラゴン・メリルの恋物語の第三弾。今回は、ピクシーにちょっかいを出したために村の人が行方不明になったという知らせを妹マリサが持ち込んだため、魔属と人との間にいるスウェナとメルリが手を貸すお話です。
いやあ、おもしろかった。前作がきれいに終わってたから(これは一巻を読んだときもそう思ったけど)どうするのかと思ったら、ふたつの種族の間にいるものとしての役割を果たしていくことになるのかな。
お人好しなスウェナが動き、スウェナらぶーなメルリがムスっとしながら手伝っていくって感じが、とても楽しい。男のツンデレも良いものですね。まあ、ツンデレというかスネちゃまですけど、むくれて、でも何かあるとすぐ二人の世界に入ってしまうやり取りに、ニヤニヤがとまりません。
二人の間に恵まれた子どももなかなかいい味だしてました。
父に似て竜の血が濃い兄のセツと、母に似た妹のフィーナが、初めて両親以外の人たちと触れあい、子どもらしい好奇心旺盛さや泣き虫っぷりを見せてくれるところが微笑ましくて。セツのショックな出来事に、かわいそうだけど笑いそうになったし、フィーナの初めてのお友達に良かったねと頭をなでたくなる。
お話は、行方不明となった村人を連れ戻すために、ピクシーの住処にいったら、龍がつれていってしまったとのことで、なんとか龍の城にもぐりこんだら……、思わず吹き出しそうになったのは僕だけじゃないはず。
しっかしいい性格してるのは……だよね?
自称勇者のルスランの華麗な昼行灯っぷりも楽しく、最後まで意表を突かれました。彼ならきっと自国に戻っても、がんばってくれると思います。
いやあ、楽しかった。
これからも、子供の成長をみながら、いろんなところで二つの種族の間を取り持ってくれるとうれしいですね。ぜひとも続きをお願いしたいです。
失恋竜と契約の花嫁 ~幸運の星めぐり~ (B’s‐LOG文庫)
渡海 奈穂
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