「向坂くんはすごいよ?いままで一年以上も水穂さまと二人っきりで星ヶ谷を守ってきたんでしょう?誰にも気づかれなくても、ちっとも褒めてもらえなくても、ずっと頑張ってきたんでしょう?そういう人がすごくないなんて、ありえないんだから」
「四月さん……」
「そういう向坂くんにならできる。わたしは信じてる」
金魚姿の土地神・水穂が土地を護る力を得るには、みなが諍いなく過ごさねばならない。ところが三つの高校を合併したら、それぞれの生徒会たちはぶつかり合うばかり。我が強い二校の生徒会に振り回され、泣き言をいいながら、平凡な男・向坂が間をとりなす学園物語の第二弾。今回は、林間学校という名のキャンプを、生徒会が仕切ることになるお話です。
いやあ、楽しい楽しい。
キャンプの準備などただでさえ大変なのに、葛城・鳥越から「水穂さんも……」と言われて断れなくなるから、どうしよう?と恵が頭を抱えるところが笑えます。苦肉の策で説得し、皆から哀れみの視線を受けるところとか、もうサイコーでした。
で、キャンプ地。ここにも神が奉られていたことから、ちょっとした不穏な空気が流れ始めるんですが……、恋愛モードがこういう暴走をするとは思わなかった。恵からしたら、わかっていたことだけど、はっきりと目の当たりにしたのは辛かったろうな。
それでも、彼女が思いを寄せる人に対してどのように接してきたかを実感して、嫉妬から曇っていた目を晴らしていく展開は、とても良かったです。恋敵だけど格好いいと思ってしまったその心こそが、恵のいいところだと思いました。
今回の騒動を乗り越えたことで、生徒会の仲にも交流の兆しが見えてきたのは、彼の愚直な頑張りがあったからですよね。嬉しいことではありますが、ここで動いてしまった恵と陽菜は、さてどうなっていくんだろう?
複雑な恋の片道切符の行く末が気になるばかり。
創立!? 三ツ星生徒会2 それから恋3は加速した (ファミ通文庫 さ 3-6-2)
佐々原 史緒
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