「それでも、万が一」
「その場合は」
あまり考えたくはないのですが、と心の中で呟いてから、ガブリエラは恬淡と言葉を継いだ。
「全員、討ち死にでしょうか」
女性のみで構成される伝統と格式ある「白兎騎士団」に、入隊した新人たちの成長を描くシリーズの第八弾。今回は、千を超えるイリアスタ軍を前に、数に劣るコリントゥスの城内が震える中、遊撃小隊のガブリエルが動き始めて、というお話。
いやあ、面白かった。
兵力では圧倒的に差があり、さりとて志願兵を募るわけにもいかない状況で、さあ、ガブリエルがどんな策を講じるのか?とワクワクしながら読まされてしまいました。
ガブリエラが何を考えているのかなんて、さっぱり見えないんですが、作戦を聞いた遊撃小隊や、かけつけたレフレンシアたちが、揃って「腹黒」だの「大魔王」だの絶賛(?)する姿を見てしまうと、期待感あふれまくりです。
突拍子もないところから、戦略につなげていく展開は、まさに奇策ですが、ともすれば危険極まりない作戦を、実行して見せた遊撃小隊も見事だと思いました。なんだかんだいって、ガブリエラを信頼しているからこそ、ですよね。こういう仲間の絆を思わせる描写がステキです。
ただ、ある意味、「策」が中心となったお話だけに、実行部分は、ちょっと盛り上がりが欠けるかなと思わなくもない。ページ数の関係もあるかもしれないけど、もうちょっと、策の実行中のお話を書いてくれたら……という贅沢を思った。
にしても、今回ガブリエラは大活躍だったけど、なかなかどしてレフレンシアも負けてなかったなあ。裏方といっていいかもしれないけど、彼女の行動がなかったら、相手の陥落はもうちょっと遅くなったかもしれないですよね。まったく、何もいわずに効果的な事をやってのけるから、格好いいったらないです。あのニヒルなイラストも、すげー格好よくて惚れ惚れ。
さて次は、また遊撃小隊がどこかの町を訪れるようですね。どんな騒動が待ち受けているのか、とても楽しみです。あ、個人的には、新雛小隊も注目中。何かやってくれないかな。
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