「つまり、この土地から極端に人が減ると水穂さまの力が弱まって、結果、このあたりの住人の命にかかわる」
「そうじゃそうじゃ」
「でも、たくさん人がいても、みんなが喧嘩ばかりしていたら、結局、悪い気を呼び込んでしまう」
「そうです」
「で、向坂くんは神様のお使いとして生徒会役員になって、この学校のみんなを仲良くさせようと画作中」
こくこくと僕らは頷いた。
そうすると……わたしに望まれているのは、ホシ高とホシ女の子たちを……というか、まどかちゃんと鳥越くんを仲良くっせるよう仕向けるってこと、ですよね?」
金魚姿の土地神・水穂の陰謀により、市内有数の男子校・星岡高校(通称・ホシ高)と市内有数の女子高・星村女子高校(通称・ホシ女)、そして向坂恵の通う星ノ一高校は合併して三ツ星高校となった。水穂が土地を護る力を得るには、みなが諍いなく過ごさねばならないのに、プライドが高いホシ高・ホシ女の生徒会は、ぶつかり合うばかり。我が強い二校の生徒会に振り回され、泣き言をいいながら、平凡な男・向坂が間をとりなす学園物語。
これは楽しい!
ホシ高は甘いマスクと流れるような言葉を放つ鳥越、ホシ女はクールビューティな葛城、さらにはそれぞれの生徒会に個性あふれる人たちがいたりして、そりゃ向坂じゃ太刀打ちできないよなあと思いながら、振り回される様子にニヤついてしまいます。普通だったら逃げ出してしまうだろうに、諍いが増えると、向坂や水穂のような霊力を持ってるものにだけ見える悪意ある黒くてプニプニしたものが学校内で増加するから、なんとか間を取り成さなければならないってのは、大変ですね。
初めは一人でがんばってたんだけど、ひょんなことから水穂さまの姿を見ることが出来るホシ女の四月陽奈が出てきてくれたことで、面白さが増加していきます。悩み事は話せる人がいるだけで、心が軽くなりますよね。
またこの四月さんがいいんだ。明るくて、ほんわかしてて、行動力があって。いつしか惹かれていく向坂でしたが、同時に切ない想いに気づいてしまうあたりが、なんとも青春してました。あー、いいわ。きゅんきゅんする。
好きな人の話と、生徒会間の諍い問題と。
どうしようもないかと思いきや、行動力満点な神様・水穂のおかげで、うまくいく……かと思いきや、騒ぎは二転三転するから面白いんだ。なぜこんなにも二校が反発するのか、というところに、聡明に見える人たちの表に出てこない寂しさがあったりして、ちょっと切ない思いにもなり。でも、そのおかげで、ただ間にいただけの向坂が、本当の意味で取り成すことができるようになっていき、だんだんと三つの高校の間に架け橋が見えてくるようになっていく展開がとてもよかったです。
いやあ、面白かった。学校内ではまだまだ問題が出てくることがあるかもしれないけれど、ぶつかり合っていけば解決できますよね。
それにしても、まさかこんな三角関係になるとはなあ。片思いの行き先がものすごい複雑化してますけど、この恋はどう終結していくんでしょうか。個人的には、妹大好きな「フリルの悪魔」が参戦してきてくれると面白いんだけど……と、超他人事モードで言ってみたり。ああ、想像するだけで楽しみだ。
創立!? 三ツ星生徒会1 そのとき恋3がはじまった (ファミ通文庫 さ 3-6-1)
佐々原 史緒
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