「明久君はもう少し周りの人の気持ちに気がついてもいいと思います。お姉さんとか、美波ちゃんとか、……私、とか……」
「へ?なんのこと?」
「ふふっ。これ以上のヒントはあげられません」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第六弾(間に短編集があったので六冊目なのです)。今回は、明久の元に、母親からの最凶の刺客であるお姉さん・吉井玲がやってきて、というお話です。
ああ、楽しい。普段は普通なのに、アキくん大好きなおかげで、いけない方向に行きそうになったり、精神的にやられそうになる嫉妬光線を放ったり。そりゃみんなに姉のことを隠したくなりますよねぇ。弟のクラスメイトに「実の姉とお医者さんごっこ」の話をするって、どれだけ酷いんだ。明久がどんどんやつれていく様子が目に浮かびそうになります。
それと同時にテストの点が悪かったら、一人暮らし生活の危機が迫ってくるってことで、期末試験のお勉強会をみんなでやるんですが、雄二の家や美波の家、さらには霧島さんの家にいってワイワイやるあたりは、いつもながら楽しかった。
個人的には、美波の家にいったお話が一番好きかな。部屋にある写真たてに誰が写ってるか、なんていうのはお約束ですが、見られそうになると焦り、でも気づいてほしいと揺れる乙女心満載な美波の様子がとても良かった。二人の様子が気になって、さりげなく様子を見ようとする姫路さんの姿にもクスリ。
っていうか、明久をめぐる争いに隠れてるけど、何気にムッツリーニと工藤愛子の関係が進んでるようで、ものすっごい楽しみだったりするのは僕だけじゃないはず。そういえば、雄二の家の秘密も気になるので、このあたりもいつか語ってほしいところですね。
僕自身に実姉がいるせいか、ところどころお姉さんの行動が楽しめなかったりするんですが、それでも、アキくん大好きっぷりを感じさせながらも、どこか機械的冷たさを感じさせていたお姉さんが、最後に見せてくれた思いに、家族っていいなって思いましたね。ラストのイラストは、顔を赤らめる秀吉のイラストに匹敵するほど、可愛かったです。イラストの破壊力をまざまざと思い知らされました。
美波と姫路さんのダブルヒロインはどちらも魅力たっぷりですが、どちらかといえば積極的な分、美波のターンが多いような気がしますね。ここいらで姫路さんの魅力を見てみたいところですが、さてさて。
バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫 い 3-1-6)
井上 堅二
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