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[真朱那奈] 天啓のパルティア 暁の魔女は夢をみる

襲われるのが自分だけなら、震えていればいい。でもそれが許されないのなら。傷つきたいなんて間違っても思わないけれど、それを負う以前に誰かが身代わりにされるなら。ましてやそれが、自分の大好きなひとたちであるならば。
「暁の魔女ってのがどこの誰で、何が目的だか知らないけれど、私はみんなを護る。あんたなんかに傷つけさせたりしない」]

王家の巫女姫の予言により、次期皇帝ハルバートの后候補に大抜擢された聖女パルティアが、不吉な宣託を回避するために、大切な人を守るために、奮闘するシリーズの第二弾。今回は、年に一度の満潮祭で、突如命を狙われる羽目になり、さらには予言に登場した「暁の魔女」の騒動に巻き込まれて……というお話です。

ああ、もう、パルティアとハルバートのじゃれあいが、なんと楽しく可愛らしいことか。パルティアが、侍女問題とかでちょっとした不満をぶつけても、にこやかに相手しているなあと思っていたら、さらりと解決してあげちゃうんだから、ハルバートが格好いいです。そりゃ、パルティアもドキドキしちゃうよなあ。
そんな完璧超人っぽいハルバートだけど、たまに大人気ない嫉妬とか見せてくれるから、ニヤリとしちゃいますね。このふたりのやり取りは、とても甘くて楽しかった。

今回、新たに侍女となったメルキアについても、実は……という素性から、パルティアと仲睦まじい様子を見せてくれるんですが、いい感じに姉御なっぽくって素敵です。パルティアの護衛騎士となったルーヴェル卿との間に、ちょっとした気持ちが見えてくるところには、こっそり応援したくなるものがありました。

ただ、そんな甘い空気が吹き飛ばされるような出来事が、パルティアを襲ってきて。このあたりから、ハルバートとの距離を感じてしまうところは、ちょっとやるせないものがありました。わかっていても、ってヤツですよね。なまじ予言の「暁の魔女」に纏わるあたりで、気持ちが揺れてたから尚更だったんだろうなあ。それだけ、ハルバートに依存してるとも言えるのかもしれません。

まあ、そんなときでも、大好きな人のためならと、無謀とも言える行動力を発揮してくれるパルティアがいてくれるわけですが。あの決意を見せてくれるシーンは、ほんと格好いいですね。こういう姿は好きだなあ。

距離を感じてしまった上に、ピンチのときにやってきたのが、神出鬼没なセリオンだったってことで、ますますハルバートの株が……と思ったけど、困難を乗り越えていくうちに、ハルバートへの思いに気づいて、ハルバートの優しさに気づいて。 それだけに、追い詰められてしまったとき、颯爽と現れてヒーローしてくれたハルバートが格好よかったよ。なんだ、その万能っぷりは!と惚れ惚れ。

気が緩んだパルティアの「ハルバートにも、触らせたこと、ないのに」のセリフには、笑っちゃいけないと思いつつ、顔がほころぶのを止めることができませんでしたけど、ハルバートの「浄化」に悶えまくったのは、僕だけじゃないはず。

いやあ、面白かった。
最後のほうは、急展開というか、ご都合な気もするんだけど、不思議ちゃんな雰囲気を奏でる双子の聖女の心を動かしたパルティアの言葉が素晴らしかった。まさか、もうひとりまで動いてくるとは思わなかったけど、「目的のため」という点からしたら、おかしいとまでは言えないのか。
新たに増えた勢力と共に、今後このカップルは、どんな方向へと進んでいくんでしょうか。まだ、パルティアの秘密らしきものがはっきりしていないこともあるし、「たったひとつの呪文」のこともあるので、いろいろ気になりますね。

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