「王様が殺されかけた、あるいはジアンが殺されかけたことに対する、直接的な報復でなくてもよいのですね?」
「それはかまわない。こちらが得点できなくても、相手が失点するなら、それはそれでもかまわない」
「であるのなら、ですね……」
ガブリエラはゆっくりと口を開き、そして。
「ジアンを殺してしまうのがいいと思うのです」
と言った。
女性のみで構成される伝統と格式ある「白兎騎士団」に、入隊した新人たちの成長を描くシリーズの第七弾。今回は、暗殺者に狙われたカッシゥス王を守ったジアンが倒れて……というお話。
やっぱりガブリエラはいいなあ。狙われたことを盛大にアピールして同情を誘って外交の手段とし、ジアンを狙われて怒る幼き王をなだめる案として、こういう発想を持ってくるんだから、いやはや、すごい。皆、ガブリエルのことを腹黒いとからかってるけど、同時に参謀としての信頼感も伝わってきて、ああ、なるほど、こうやって、ガブリエラは信頼を積んでいったんだなあと思った次第。
レフレンシアも、わりと自然にガブリエラに案を求めるようになってて、遊撃小隊のみならず信頼関係を築いていく過程が見れたのは良かったです。
ただ、今回は謀略関係はこの一点だけ……といっては語弊があるんだけど、他のところのは、小細工に等しいものだったので、ちと物足りないものがありました。
いや、ドゥイエンヌの兄の変態なシスコンっぷりとか、遊撃小隊が絡むところ、なぜか敵の手が伸びてくる不運さを切り抜けていくところとかは面白いんだけど……ね。なんか、こう、燃えるものとかがあんまりなくて。
あ、でも、久しぶりに未来の、ガブリエラが団長になったときのシーンがありましたね。今回のお話は、そこへ行くまでの分岐点となるお話だったらしいですが、はっきりとはわからないので、どのあたりが伏線となっていくのか、今後の展開が楽しみです。
個人的には、新人に紛れ込んでるスパイのアスカが、今後どうなっていくのかというのも注目してたり。なんだかんだいいながら、協力してくれると嬉しいんだけどなあ。さてさて、どうなるかしら。
鋼鉄の白兎騎士団 VII (ファミ通文庫 ま 1-1-7)
舞阪 洸
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