「行き先は神聖合衆国!前途洋洋とは言いがたい不穏な気配だがそれもまた良し!楽しいばかりが旅行ではない!苦労もトラブルも望むところなのだ!!さぁ楽しむぞ家族ども!旅行の支度は万全か!?万全ならば問題ない。さぁいつものようにこの全知全能たる凶華様についてこい!!」
そんな家族たちを背景に、凶華が賑やかに宣言した。
「いざ行かん『世界会議』へ!!」
破壊の化身とされる閻禍の子と疑われしものたちが、騒動を乗り越えながら、家族となっていくお話の第十弾。今回は、不解宮の傀儡后・ミリオンの招待を受け、狂乱家族が「世界会議」に参加するため、海外へと足を運ぶお話です。
うーん、長い。初っ端からして、家族のひとりひとりが、旅行に出かけることを、友人や同僚に話をするというシーンが延々と続いてくれて、悪くはないんだけど、なかなか物語が始まらなくて、なんとももどかしい。間に、閻禍の物語が入るから、余計に本編が間延びするような感じを受けるんだよなあ。
旅に出始めたら、凶華のハイテンションっぷりに、ああ、いつもの狂乱だと思ってたりしたんですが、神聖合衆国へ乗り込む直前の船の上で、家族全員が分断されての仮面舞踏会が始まるから、ん?となる。 誰が、何の目的で、というあたりがずっと見えないから、どうしてもノリ切れなかった。
逆に後半になってきたら、閻禍方面の話が面白くなってきて、ああ、こういうすれ違いから、闇が生まれてきたのかと思ってやるせなくなる。
結局のところ、狂乱家族が招待されたのは、ただひとりのわがままからだってことでしたが、そこへ至るかの人の思いには、複雑だけど愛情を感じました。狂乱家族に引き取られた家族を、ずっと見守っていたんだろうなあ。そう思うと温かいものを感じますが、一方、そんな思いを利用しようとするものがいることに、腹立たしいものがある。
まさか、雷蝶にまで手が伸びるとは……
このあと、狂乱家族はいったいどんな騒動に巻き込まれていくのか、さっぱり予想がつきません。
狂乱家族日記 拾さつめ (ファミ通文庫 あ 8-1-10)
日日日
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