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[渡海奈穂] 失恋竜と契約の花嫁

魔法学校を追い出され、故郷に戻った十六歳の娘・スウェナは、薬草を探しに出かけた森で何日も道に迷った末、不思議な湖に辿り着く。そこには、輝く宝珠を抱いて眠る巨大なドラゴンの姿があった。あまりにお腹のすいていたスウェナは、思わずその竜の珠を“食べて” しまい、なんとか命をとりとめる。しかし翌日、スウェナの前に、壮絶なほどに美しい青年が“皿と箸”を持って現れ、「食らったものを出せ」と迫ってきて ――!? 泣きべそ魔法使いの娘と、俺様な竜公爵・メリルの、命を賭けた恋物語!

失恋竜と契約の花嫁 | 株式会社エンターブレイン

飲み込んでしまった竜珠を取り出すために、落ちこぼれ魔法使いのスウェナと竜珠を取り戻しにきたメリルが、伝説の魔女ジャニスの元へと冒険するお話です。

これは楽しかったなあ。
俺様な態度を崩さないメリルだけど、竜珠を手放してるために、ごくまれにスウェナの支配下に入れられちゃったりして、屈辱を感じるところとか笑えます。スウェナ自身は、おどおど系の女の子なので、メリルに対して無茶難題は言い出さない……どころか、振り回されちゃうんだけど、はじめは弱気だった女の子が、旅を続けていくうちに、だんだんと強くなっていくところがいいですね。
マジメな彼女の姿にほだされて、それと、あまりのドジっ子っぷりに見ていられなくて、なんだかんだと文句を言いながら、手助けしていくメリルの優しさもよかった。

まあ、少しずつ近づいていったとはいえ、まだまだ壁があったんだけど、それをなくしたのが、ドラゴンといいながら、竜珠を無くしたために、人型から戻れなくなったという設定なんですよね。

食べることは魔力でカバーできても、水分は補給しなければならない。でも、旅路では水がいつでも手に入るわけではなく、気づけばスウェナよりも、メリルが弱っちゃって……みたいなところから、こうね、スウェナの献身っぷりがあって、いつしかお互い相手を守りたいと思うような仲になっていくところがとても素敵でした。

それでも、お互いなかなか素直になれず、言い訳をしながら触れ合うところには、ちょっと切ないものがあったんですけど、ちゃんと分かり合えていったところに、にんまり。ああ、いいなあ、素敵な恋愛だなあ。

最後に見えた過去のエピソードがまたいいんだ。
ああ、このひと時が、のちの運命を作り上げたんだなあと思うと、あったかい気持ちになりますね。
一冊ものの恋愛小説として楽しませてもらいました。

失恋竜と契約の花嫁 (ビーズログ文庫 わ 1-4) - 渡海 奈穂

失恋竜と契約の花嫁 (ビーズログ文庫 わ 1-4)
渡海 奈穂

エンターブレイン(文庫)
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